1996 Fiscal Year Annual Research Report
局部座屈と全体座屈の連成を考慮した鋼構造物の弾塑性有限変位解析プログラムの開発
Project/Area Number |
08650557
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (C)
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Research Institution | Osaka City University |
Principal Investigator |
北田 俊行 大阪市立大学, 工学部, 助教授 (30029334)
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Keywords | 連成座屈 / 局部座屈 / 全体座屈 / 鋼構造物 / 薄肉断面 / 部材座屈 / 弾塑性有限変位解析 / 解析プログラム |
Research Abstract |
本年度の研究では、薄肉箱形断面柱の幅厚比パラメータRを0.3〜1.0の範囲に、また細長比パラメータλを0.3〜1.7の範囲に変化させて、弾塑性有限変位解析を行った。そして、それらの終局強度特性について検討するとともに、柱としての部材座屈、柱を構成する板要素の局部座屈、および、それらの連成座屈のいずれが卓越するかを荷重-たわみ曲線、および荷重-ひずみ曲線から判定した。さらにドイツの鋼構造物の設計指針DASt Ri012による部材座屈と局部座屈との相関区分図との比較・検討も行った。 本年度の研究により得られた主な結論、および今後の検討課題をまとめると、以下に示すとおりである。 1.座屈区分に関するまとめ (1)面内ひずみ差による座屈区分法、および、たわみ差を用いる座屈区分法により、部材座屈、局部座屈、および連成座屈が、ほぼ区別できることわかった。 (2) DASt Ri012の座屈区分相関図と、ひずみ差、および、たわみ差を用いる区分法とでは、全塑性領域と部材座屈領域、および局部座屈領域と連成座屈領域との境界線が、若干、異なることがわかった。しかし、この相関区分図は、解析に先立ち、あらかじめ対象部材に発生する座屈区分を予想することができるため、今後、本研究を発展させていく際に、有効であることがわかった。 2.今後の課題 今後は、本研究を以下のような方向に向けて発展させていく必要ある。 (1)局部的な初期たわみ波形を種々変化させた柱の座屈特性 (2)軸方向力のみならず曲げをも作用させた梁・柱の座屈特性 (3)補剛板で構成される薄肉補剛箱形断面柱の座屈特性 (4)ラーメン橋脚、およびアーチ橋などのより実際に近い薄肉鋼構造物の座屈特性 (5)板要素以外に、梁・柱要素も混用した弾塑性有限変位解析
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