1996 Fiscal Year Annual Research Report
3次元モーメントスペクトルによる地震動の破壊性能に関する研究
Project/Area Number |
08650559
|
Research Institution | Tohoku Institute of Technology |
Principal Investigator |
神山 眞 東北工業大学, 工学部・土木工学科, 教授 (50085461)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
松川 忠司 東北工業大学, 工学部・土木工学科, 助手 (00165789)
|
Keywords | 強震動 / 破壊性能 / 3次元モーメントスペクトル / 阪神大震災 / 重心 / 剛心 / 不整形地盤 / アレー観測 |
Research Abstract |
本研究は3次元モーメントスペクトルという新しい概念で地震動の破壊性能を調べることを主たる目的としたものである。この目的に沿い,以下の研究を実施した。 1.阪神・淡路大震災の調査に基づき,構造物の重心と剛心が異なることに伴い発生する運動モーメントが地震の破壊性能を決めるパラメータでないのかという着想を得た。これを明らかにするため,3次元モーメントスペクトルの概念を確立するとともに,その理論的誘導を行った。また,理論誘導に基づき,3次元地震記録からモーメントスペクトルを求めるプログラミングをすすめた。このプログラムは阪神・淡路大震災の強震記録を始め,近年の被害地震で得られた強震記録に適用され,阪神・淡路大震災の地震動の破壊性能がモーメントスペクトルという観点から相対的に評価された。その結果,阪神・淡路大震災の地震動の3次元モーメントスペクトルは他の被害地震のそれより大きいことが判明した。ただし,従来のパラメータによる比較でも同様の結論が得られた。 2.さらに多くの強震記録を対象に,このような相対比較をすべく検討を行った。すなわち,多くの強震記録を供給する気象庁の記録媒体がオープンMTであることに鑑み,新たにオープンMTハンドラ-を研究設備として購入し,これを研究室保有のワークステーションに連結した。この計算システム拡張による作業は現在も継続中である。 3.3次元モーメントスペクルを大きくする地震動は地盤の不整形によりもたらされる可能性が高いことから不整形地盤の応答解析を平行してすすめた。本研究では,これを疑似スペクトル法と有限差分法により行い,3次元モーメントスペクトルが大きくなる不整形地盤は同時に地盤中の応力,ひずみを大きくすることが明らかとなった。また,波動伝播特性から,観点の,3次元モーメントスペクルを大きくする諸要因を明らかにするため,阪神大震災により得られたアレー強震記録,常時微動の地中アレー観測の考察も行った。
|
-
[Publications] M.Kamiyama: "A relation between the peak Value and period of strong ground motions" Proc.of the 11th World conference on Earthquake Engineering. Vol.1. 125-132 (1996)
-
[Publications] 神山眞 吉田勝: "相互相関からみたポートアイランド鉛直アレー記録の非線形応答特性" 土木学会第51回年次学術講演会講演概要集. 第1部. 434-435 (1996)
-
[Publications] 神山眞・松川忠司: "1995年兵庫県南部地震の強震動における短周期表面波の存在" 土木学会第51回年次学術講演会講演概要集. 第1部. 436-437 (1996)
-
[Publications] 松川忠司・神山眞: "1994年三陸はるか沖地震の強震記録特性とその考察" 土木学会第51回年次学術講演会講演概要集. 第1部. 438-439 (1996)
-
[Publications] 松川忠司・神山眞: "微動の地表・地中同時観測について" 平成8年度土木学会東北支部技術研究発表会講演概要. 334-335 (1997)
-
[Publications] 神山眞・松川忠司: "疑似スペクトル法による不整形地盤の応答解析" 平成8年度土木学会東北支部技術研究発表会講演概要. 336-337 (1997)