1998 Fiscal Year Annual Research Report
鉄筋コンクリート棒部材のせん断破壊メカニズムに関する研究
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08650565
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Research Institution | NAGAOKA UNIVERSITY OF TECHNOLOGY |
Principal Investigator |
田村 隆弘 長岡技術科学大学, 技術開発センター, 助教授 (60171899)
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Keywords | 鉄筋コンクリート棒部材 / せん断破壊 / 軸方向引張力 / I型梁 / 初期ひび割れ / 有限要素法 |
Research Abstract |
実験、解析ともこれまでの研究を発展させる形で計画し、実行した。 実験は、1)ひび割れを有する矩形梁12体、2)複鉄筋を配置したI型梁20体、3)繰り返しせん断を受ける矩形梁12体、について行い、それぞれ軸方向力やせん断スパン比、腹鉄筋量等をパラメータとして行った。ひび割れを有する部材のせん断破壊メカニズムは、ひび割れの無い部材の破壊メカニズムと異なることが明らかになり、I型梁の実験からは、部材圧縮領域の状態が終局せん断耐力に影響することが示された。また、繰り返しせん断を受ける部材では、特に軸方向引張力を受ける場合に耐荷力が低下することが確認されたが、いっそうのパラメトリックな実験の必要性も感じた。 解析においては、柱部材の曲げ、せん断破壊モードについて、軸力、高さ、主鉄筋量、帯筋量、そして、段落としの位置等をパラメータとしてシュミレートし、また開発したプログラムによって、耐震補強を施した柱部材のモデル化を試みた。耐荷シェル要素を用いたI型梁の解析では、斜めひび割れ後の部材のアーチ的な耐荷機構が表現でき、有限要素法を用いて各荷重段階での部材の要素レベルでの応力状態を知ることが、破壊メカニズムを説明するのに有効な手段であることが確認できた。柱の解析のために用いた3次元ソリッド要素は、耐震補強した部材の挙動を良く表現し、補強により部材の靭性が向上することが確かめられた。 成果に関する発表は、平成10年6月にCONSEC(ノルウェー)、7月にコンクリート工学(日本)、11月にIWC(インド)、そして、平成11年3月CIBW99(アメリカ)で行った。
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[Publications] Takahiro TAMURA: "Aualysis of R/C Member Subjected to Axial Tension,Shear and Bending" Concrete Under Severe Conditions. Vol.2. 877-886 (1998)
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[Publications] 田村隆弘: "I型梁のせん断耐力における圧縮域の効果について" コンクリート工学年次論文報告集. Vol.20No.3. 295-300 (1998)
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[Publications] Akihiko HISATSUGI: "Shear Strength of Reinforced Concrete I-Shape Beam Subjected to Axial Tension" Proc.of the Sixth Asia-Pacific Conference on Struetural Eng.Vol.2. 835-840 (1998)
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[Publications] Takahiro TAMURA: "Effects of Coupressive Zone on the Shearing Copacity of Reinforced Concrete Beams." Innovative World of Concrete,IWC-98 Proc.Vol.1. 331-337 (1998)
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[Publications] Takahiro TAMURA: "On the Factor of Safety for the Shear Strength of Reinforced Concrete Beams" Implementation of Safety and Health on Coustruction Sites. (1999)
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[Publications] Hiroshi Matsuo: "On the safety of pre-cracked reinforced concrete member" Implementation of Safety and Health on Constraction Sites. (1999)