1996 Fiscal Year Annual Research Report
兵庫県南部地震による発生した宅地地盤変形の解析と対策
Project/Area Number |
08650577
|
Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (C)
|
Research Institution | Kobe University |
Principal Investigator |
沖村 孝 神戸大学, 都市安全研究センター, 教授 (50031125)
|
Keywords | 動的斜面安定解析 / 反射法地震探査 / 兵庫県南部地震 / 宅地変状 / 盛土 |
Research Abstract |
兵庫県南部地震により六甲山系山麓の宅地造成地で地盤変状被害が発生した場所を対象として、そのその対策工設計のためにボーリングが行われた。本研究ではこのボーリングデータが入手できる場所(3カ所)を対象として、反射法地震探査を実施した。用いた機器はDAS-1である。その結果、反射法地震探査結果はボーリングデータにより示される盛土地盤(盛土基盤の軟弱な旧表土層を含む)と基盤層との境界を求めることができることが明らかになった。さらにこの探査を通して盛土層と基盤層のせん断波速度を求めることができる。その結果、盛土層では125、130、170m/sec、基盤層で250m/sec以上と300m/sec以上となることが明らかになった。 これら3カ所から1カ所を選定して、本研究で購入した動的斜面安定解析装置を用いて地震時の地震安定解析を実施した。もちいたソフトは「super FLUSH」である。これを用いてひずみ依存度を考慮した等価線形解析を実施した。入力波形は神戸大学で観測された東西方向の観測波としこれを直接モデル地盤に入力した。解析結果は入力波の最大加速度305galに対して盛土層内では最大応答加速度は525galにも達し、盛土層内では大きな応答加速度となったことが明らかになった。このため盛土地盤で変状被害が発生したものと推定された。また、盛土層厚の変化により応答加速度が小さくなる場所も出現することが明らかになった。 次年度は、地下水位の存在、変形を受けなかった地盤での検討を行う予定である。
|
Research Products
(6 results)
-
[Publications] Takashi OKIMURA,Takuo YAMAGAMI and Keizo UGAI: "Slope Failures during the 1995 Southern Hyogo Earthquake in Japan" Laudslides. 1013-1018 (1996)
-
[Publications] Takashi OKIMURA,Shiro TAKADA and Teng Hye KOID: "Outline of the Great Hanshin Earthquake,Japan 1995" Natural Hazards. 14・1. 39-71 (1996)
-
[Publications] 沖村孝、片山政和: "兵庫県南部地震による宅地地盤被害の原因(そのI)-分布と被災立地条件-" 建設工学研究所報告. 38・B. 85-97 (1996)
-
[Publications] 片山政和、沖村孝: "兵庫県南部地震による宅地地盤被害の分布及びその特徴" 第15回日本自然災害学会学術講演会. 17-18 (1996)
-
[Publications] 沖村孝: "兵庫県南部地震と斜面災害-山腹斜面崩壊-" 地すべり技術. 23・2. 38-44 (1996)
-
[Publications] Takashi OKIMURA,Shinji MORITA and Shiro KIDO: "Ground Failures of Resideutial Land and Mountain Slope Failure caused by the Hyogo-ken Nanbu Earthquake and Their Restoration" ‘Geotechnical Engineering in Recovery from Urban Earthquake Disaster KIG FORUM '97. 313-321 (1997)