1996 Fiscal Year Annual Research Report
大地震時の都市地下洞道に作用する地震時荷重(動土圧・変位)に関する研究
Project/Area Number |
08650580
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (C)
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Research Institution | Tokyo Metropolitan University |
Principal Investigator |
岩楯 敞広 東京都立大学, 工学部・土木工学科, 教授 (20264591)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
土門 剛 東京都立大学, 工学部, 助手 (50237179)
西村 和夫 東京都立大学, 工学部, 講師 (70128578)
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Keywords | 阪神・淡路大震災 / 地下鉄構造物 / 地震時荷重 / 模型振動実験 / 開削工法 / 地震応答解析 / 大開駅 |
Research Abstract |
(1)兵庫県南部地震による地下鉄構造物の被害と被害原因の検討 被害を受けた地下鉄構造物の大部分は、開削工法で施工されたものであり、構造的には鉄筋コンクリート造の函型断面であり、中間に中柱がある構造である。被害形態としては、この中柱の損壊(せん断破壊,曲げ破壊)が圧倒的に多かった。これらの地下鉄構造物の破壊原因について検討した結果、支配的な要因は、水平地震動による地盤おせん断変形とそれに伴う上載土のせん断荷重が構造物に強く作用したためと考える。さらに、中柱と上下床版とが連結ヒンジ構造でなく剛結に近かったことが、この部分に応力集中し、破壊した要因の1つと考える。中柱の破壊は水平動による周辺地盤の影響を強く受け、せん断耐力不足により破壊に至ったことが推定できた。 2.模型振動実験による地下鉄構造物の地震時挙動(動土圧と変形)の検討 せん断土槽中に厚さ1mの砂地盤を作成し、その中に1/30スケールの大開駅舎モデルを埋設して、模型振動実験を行い、地盤の基本的特性、地盤構造物の応答特性、構造物に作用する動土圧、上載土のせん断力、側壁、中柱に生ずるひずみについて検討した結果、(1)モデル地盤は、Modified Hardin-Drnevichモデルによって近似できる非線形特性を示すこと。(2)構造物の応答が地盤の応答特性の影響を強く受けていること。(3)入力レベルが小さい範囲では、せん断土圧は上載土の加速の作用方向と一致し、せん断変形を助長する方向に作用するが、側壁に作用する動土圧(直土圧)は、構造物の変形に抵抗する方向に作用すること。これに対して、入力レベルが大きくなると、側壁に作用する動土圧は両側とも構造物のせん断変形を助長する方向に作用することなどが分かった。(4)構造物のひずみについて検討した結果、中柱には側壁の約5倍のひずみが生じていることが分かった。 今後は、解析的にさらに検討する予定である。
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[Publications] 岩楯敞広: "阪神・淡路大震災の地下鉄構造物の被害と被害原因の検討" 東京都立大学・総合都市研究. 第61号. 21-43 (1997)
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[Publications] 岩楯敞広 他: "模型実験による地下鉄構造物の地震時挙動の検討" 第32回地盤工学研究発表会. (1997)
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[Publications] Iwatate,T.Domon.S.: "Earthqueke Damage and Seismic Response Analysis of Subneay Station and Tunnels during great Hanshin-Awaji Earthquake" World Tunnel Congress′97.
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[Publications] 岩楯敞広 他: "兵庫県南部地震における都市トンネルの被害と特徴" 土木学会 第1回免震・制震コロキウム講演論文集. 1巻. 163-170 (1996)