1996 Fiscal Year Annual Research Report
海岸植生を考慮した飛砂の連動機構の混相流的取り扱いと飛砂制御に関する研究
Project/Area Number |
08650593
|
Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (C)
|
Research Institution | Kanazawa University |
Principal Investigator |
辻本 哲郎 金沢大学, 工学部, 助教授 (20115885)
|
Keywords | 飛砂 / 風速分布 / 海岸植生 / サルテーション / 非平衡過程 / 混相流 |
Research Abstract |
海岸の砂は風によって運動量を供給されて運動する一方,風は砂粒に運動量を奪われ飛砂層では運動量を欠損するため通常の風速分布とは異なった様相を呈する.こうした相互作用を,混相流的に取り扱った.風の解析に当たっては砂粒を相対速度をもつための抗力を飛砂濃度分布を考慮して空間平均して運動量式に,またその仕事量分の乱れエネルギー生成を乱れエネルギー及びその散逸率についての輸送式に付加した.粒子運動は卓越するサルテーション運動を仮定してラブランジュ的に追跡し,その初速度は確率的手法で不規則性を考慮した.風の解析,粒子運動の解析を交互に繰り返し,混相流としての解を得る.平衡状態では飛砂数密度レイノルズ応力の底面外挿値が移動限界の値となるように決定し,非平衡状態では数密度の変化に応じた風の状態と粒子運動特性のどちらも収束するような流下方向変化過程を繰り返し計算で求めた. 一方,植生については円柱群で代表される植生モデルを想定し,河川植生を伴う水流についての研究成果を援用した数値解析法について検討,風洞実験で検証した.また植生と飛砂の両方を伴う風についても数値解析的に検討するほか,植生周辺の飛砂量変化を地形変化によって調べた. さらに,現地海岸で海岸植生の調査,風と飛砂の実測を試みると共に,飛砂量計測法について,風洞実験において検討した.現地では風向が不確定で,水平補砂器を用いた飛砂量計測は誤差を伴いやすい.底で,補砂器をメッシュに分割し,そこへの堆積砂量の分布から,上記を利用した飛砂の力学モデルを用いて,風向と正確な飛砂量を同時に求める方法を開発した.
|