1996 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
08650606
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (C)
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Research Institution | Osaka University |
Principal Investigator |
出口 一郎 大阪大学, 工学部, 助教授 (00029323)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
小野 正順 大阪大学, 工学部, 助手 (80214188)
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Keywords | 河口地形 / 河川流量 / 河口閉塞 / 沿岸漂砂 / 海浜流 / 水深変化予測 / 由良川 |
Research Abstract |
平面水槽内に作成したモデル河口の模型地形を用い,河口周辺で生ずる波浪変形・海浜流場および河口周辺地形に及ぼす河口水深,河川流の影響について実験的な検討を加えた.ただし,実験波の入射角は,すべて河口中心軸に対して斜め入射する条件である.さらに非定常緩勾配方程式と水深・時間平均された海浜流基礎式に基づく河口周辺の波浪・海浜流場の数値予測手法および移流拡散方程式に基づく水深変化予測モデルを開発し,実験結果に基づいてその適用性について検討した.河口水深が入射波高以上ある場合容易にの河口は,沿岸漂砂移動により容易に完全閉塞するのに対し,河口水深が入射波高の1/2以下の場合は,河口部での沿岸漂砂のに大きな勾配がつかないことから河口水深が大きい場合と同じ造波時間では完全閉塞に至らなかった.また河口流が存在する場合は、その流量に関わらず,完全閉塞は生じなかった. 提案した数値予測モデルに波浪場と海浜流場の相互干渉を考慮することにより非常に精度よく実験結果を再現できることが明らかになった.また,河口周辺地形と波浪場,海浜流場の相互干渉を考慮することにより,従来は不可能であった河口の完全閉塞に至る過程を数値的に再現することができた. 一方,実験室で得られた知見の現地河口への適用性を検討するため,1級河川由良川(京都府)の過去20年の河口周辺地形および流量実測結果の解析を行い,河口流出流の河口周辺地形に及ぼす影響について検討した.その結果,河口近傍の地形変化量は,対象とする期間の日最大流量と高い相関があり,最大流量が600t/s以下の場合は流出土砂により堆積し,それ以上の場合は流出流の掃流力により逆に侵食されることがわかった.平成9年度は,このような現地河口地形の変形特性に対する数値予測モデルの適用性について検討する予定である.
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Research Products
(3 results)
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[Publications] Ichiro Deguchi & S.K.Auen: "Formation of river-month bar by waves and vrve-induced carrent." Proc.ISOP,Honolulu. (印刷中). (1997)
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[Publications] 出口一郎・干受京、他: "波及び河川流による河口砂州形式機構とその予測手法" 関西支部年次学術講演会概要集. (印刷中). (1997)
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[Publications] 出口一郎、石川路夏、他: "由良川河口周辺における長期間の地形変動特性" 関西支部年次学術講演会概要集. (印刷中).