1996 Fiscal Year Annual Research Report
気温・降水特性の経年変動に伴う渇水流況の変化量評価に関する研究
Project/Area Number |
08650610
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (C)
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Research Institution | The University of Tokushima |
Principal Investigator |
端野 道夫 徳島大学, 工学部, 教授 (90029231)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
吉田 弘 徳島大学, 工学部, 助手 (10210717)
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Keywords | 地球温暖化 / 降水特性の経年変動 / 渇水流況 |
Research Abstract |
月気温を考慮した一雨降水特性の時系列予測モデルを開発し、これによる将来(2026〜2055年)の月降水量を推定した。各解析地点(11地点)の全てで冬期(12-3月)降水量の減少(-0.2〜-10.9%)傾向が現れ、4-5月では、主として東日本で減少(-0.1〜12.7%)、6-7月では主として西日本で増加(0.1〜9.4%)傾向を示したが、その他の期間では明確な傾向が見られなかった。 吉野川上流・早明浦ダムを対象に、前述の一雨の降水3特性のモデリングに、表面流出タンクを3段直列タンクに並列で付加した流出モデルをリンクして、各月ごとの5日平均流出量の平均、分散、歪み係数、及び、自己相関係数を、流量データがあまり無い流域でも降水特性のデータより推定できる方法を開発した。これにより、流量データを用いた渇水特性のきめ細かい解析はもとより、渇水対策のための最適な貯水池管理の検討が容易になり、従前のような大量の降水量・流量シミュレーションが不要になる。 さらに、相関連続流入量の確率分布を相関2変数の和の分布で表現する方法を開発した。このことにより、貯水量に関する推移確率行列を比較的簡単に定式化することが可能となり、半旬単位の推移確率行列を用いて数値解析的に貯水量確率分布及び空水確率、条件付き空水到達時間の積率を推定する実用的計算法を開発した。本方法を実際の貯水池に適用し、理論の妥当性を検証するとともに、実用性が高いことを確認した。特に、平成6年渇水の渇水進行状況は本理論の条件付き初到達時間の確率分布で良く説明できることが明らかとなった。
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Research Products
(5 results)
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[Publications] Sheng Yue and M.Hashino: "Numerical analysis of storage probability distribution avul first passage prcbability ina reservoir with correlated inflows" Proc.of Int.Conf.on Water Resources & Environment Research. Vol.I. 451-458 (1996)
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[Publications] H.Yoshida,M.Hashino and Y.Nagura: "Time-series analysis of rainfall charaicteristics taking account of monthly temperature" Proc.of Int.Conf.on Water Resoarces & Euvironment Research. Vol.II. 603-610 (1996)
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[Publications] S.Yue,M.Hashino and Y.Nagura: "Stochastic response of daily runiff based on a filtened point process" J.of Hydroscience and Hydranlic Engineering. Vol.14,No.2. 67-79 (1996)
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[Publications] 吉田弘,端野道夫,越智一直: "数理モデルによる土壌水分と飽差が蒸散抑制に及ぼす影響の解析" 水工学論文集. Vol.41. (印刷中) (1997)
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[Publications] H.Yao,M.Hashino and A.Terakawa: "Predicting future changes in climate and evaporation by a stepwise vegression withod" IAHS Publication. (in press) (1997)