1996 Fiscal Year Annual Research Report
鉄筋コンクリートL形断面耐震壁の二方向終局せん断強度に関する研究
Project/Area Number |
08650661
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (C)
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Research Institution | Muroran Institute of Technology |
Principal Investigator |
荒井 康幸 室蘭工業大学, 工学部, 教授 (80002210)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
溝口 光男 室蘭工業大学, 工学部, 助手 (80166040)
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Keywords | 鉄筋コンクリート / 耐震壁 / L形断面 / 二方向 / せん断強度 |
Research Abstract |
鉄筋コンクリートL形断面耐震壁の二方向終局せん断耐力を実験的に明らかにするために、L形断面の図心位置に鉛直力(軸圧比で0.1)を加えながら、二方向から水平力を加えるせん断破壊実験を行った。試験体模型は実大の約1/4程度であり、断面形状と配筋は全て同一として壁高を2種とし、試験体数は壁高の高いもの3体、低いもの4体の合計7体である。二方向加力は、3台の電気油圧式アクチエータを水平面内に配置してパソコンに接続し、任意の一定方向に変形もしくは荷重方向を定めて加力できるシステムを構築して行った。加力方向の種類は、L形をなす2辺(それぞれX壁、Y壁と称する)をx,y軸とするx-y平面上でx軸を基準として、+45度、0度、-45度の方向に荷重方向を定めたもの(荷重方向制御)と、0度に変形方向を定めたもの(変形方向制御)とし、それぞれ変位漸増正負繰り返し加力とした。本実験で得られた主な研究成果はおおよそ次のとおりである。1,せん断破壊型L形断面壁であっても荷重方向と変形方向とは一致せず、Y壁が引張側となる0度方向の荷重方向制御では変形は弱軸側(y方向正側)に寄り、0度方向の変形方向制御では荷重は強軸側(y方向負側)に寄る。この傾向は壁高さが高いほど顕著である。2,Y壁が圧縮側となる0度方向加力の負加力時には、荷重および変形方向制御ともy方向への片寄りは前記の正加力時に比べて非常に少ない。3,L形断面壁の終局せん断耐力は、変形方向の各壁板とのなす角度が45度に近くなると幾分小さくなる傾向があるものの、二方向せん断耐力図は概ね四辺形で表される。各壁に平行な方向の大きさは、正負両方向ともそれぞれ直交壁が圧縮フランジとなる場合の耐力となるが、直交壁が引張フランジとなり、かつ面外の変形が少ない場合の耐力はそれよりも若干大きくなる傾向がある。
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Research Products
(1 results)