建築構造物の知的ファジィ最適アクティブ制御シミュレーションシステム

1996 Fiscal Year Annual Research Report

• Project/Area Number: 08650671
• Research Category: Grant-in-Aid for Scientific Research (C)
• Research Institution: Kobe University
• Principal Investigator: 谷 明勲 神戸大学, 工学部, 助教授 (50155199)
• Co-Investigator(Kenkyū-buntansha): 河村 廣 神戸大学, 工学部, 教授 (70031119)
• Keywords: 知的制御 / ファジィ最適制御 / 予測制御 / 適応制御 / ディジタルシミュレーションシステム / アクティブマスドライバー / ニューラルネットワーク

Research Abstract

制振システムは構造物の安全性、機能性の確保、居住性の向上など建築的要求を満足させるとともに設計の自由度を高める効果もあり、将来性、発展性のあるシステムと考えられる。建築構造物の制振システムの構築に際しては、不確実性の高い応答と外乱に対処するばかりでなく、多目的,多機能,複合構造物としての建築構造物の特性を考慮に入れた制振システムを構築する必要がある。本研究では,ファジィ理論の最大化決定を用いたファジィ最適制御の基本的方法に基づき、従来、採用した地震動入力予測方法、構造同定手法毎に個別に作成した制御シミュレーションシステムを統合化し、種々の制御シミュレーションシステムを一貫して行うことができる建築構造物のアクティブ制御シミュレーションシステムの構築を行った。また、システムは、オブジェクト指向の考え方を導入し、window環境上で本年度購入したObject Pascalを用いて構築した。これにり、地震動入力予測や構造物応答予測システムが統合され、制御方式や予測方法を簡単に変化させた解析を行うことができた。本システムでは、ユーザーが入力予測方法、応答予測方法、制御方式を指定してシステムを実行させると、制御結果や制御効果が視覚的・直感的に理解できる形式で出力される。これにより、予測方法、応答予測方法、制御方式の相違による制御結果と制御効果の検討が容易となる。本年度は、研究の初年度として、オブジェクト指向の考え方を導入した統合的アクティブ制御シミュレーションシステムの構築を行い、来年度実施予定の分散環境でのシミュレーションシステム構築の基礎的な資料を得ることができた。

Research Products

• [Publications] 谷明勲,河村廣: "ニューラルネットワークを用いた建築構造物のファジィ最適制御システム(5質点系構造物の場合)" 日本計算工学学会計算工学講演論文集. 第1巻第2巻. 653-656 (1996)
• [Publications] Tani,A.and Kawamura,H.: "Fuzzy optimal control system of buildings by neural network (Single-degree-of-freedom system,selection of training data of structural identification by genetic algorithm)" Proc.the 11^<th> World conference on Earthqauke Engineering CD-ROM. Vol.1. Ref.No.425 : 1-8 (1996)
• [Publications] 劉世宏,谷明勲,河村廣: "建築構造物の知的ファジィ最適アクティブ制御シミュレーションシステム" 第19回情報システム利用技術シンポジウム論文集. 271-276 (1996)