1996 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
08650686
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (C)
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Research Institution | Waseda University |
Principal Investigator |
西谷 章 早稲田大学, 理工学部, 教授 (70156074)
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Keywords | アクティブ制震 / 構造計画 / 制振システム / 可変摩擦ダンパ / 等価質量 |
Research Abstract |
近年、建築構造の世界は大きな転換期を迎えようとしており、高層建物を中心に制振システムの導入が行われている。制震システムは、アクティブ、パッシブ型を問わず非常に多くの技術が開発されている。中でもアクティブ制震構造は、建築物により大きな安全性、快適性を提供する次世代に向けての技術として、大きな可能性を秘めている。しかしながら、このアクティブ制震構造は実用化されてまもなく、建築構造物全体としてのあり方に対する議論にまで至っていない。 本研究の目的は、アクティブ制震構造のための構造計画原論の確立であり、研究対象は、応答制御を行う制振システムそのものの設計から、制御対象でもある建築物のふさわしい構造計画のあり方までをも含む。 本年は、制振システムの設計法として、可変摩擦ダンパによるシステムを用いて研究している。このシステムは、効率的な振動制御効果を発揮し、地震規模にかかわらず、小地震から大地震まで有効となるが、このシステムについては、コンピュータシミュレーション及び簡単なモデル実験により効果を確認している。 一方、建物全体についての構造のあり方に対する指針確立のための第一段階として、より効率的な制御効果の発揮されうる振動特性を備えた建物の評価方法の開発を目的として、各モードの刺激関数、等価質量等を指標としたシミュレーションを行い、データを蓄積中である。
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