1996 Fiscal Year Annual Research Report
はり降伏型鉄骨架構における柱脚接合部の変形性能に関する実験的研究
Project/Area Number |
08650690
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (C)
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Research Institution | Osaka Institute of Technology |
Principal Investigator |
中島 茂壽 大阪工業大学, 工学部, 助教授 (20090681)
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Keywords | 露出型柱脚部 / 柱軸力比 / ベースプレート / アンカーボルト / ピン形式 / 定着長 / 複合応力 / 終局耐力 |
Research Abstract |
1層1張間のはり降伏型骨組の露出型柱脚部における仕口構成を変化させ、骨組の靱性を調べた実験と複合応力を受けるアンカーボルトの力学性状についての研究を行った。 骨組の実験では、実物の1/2〜1/3の縮小モデルを作製し、一定軸力のもとで繰り返し水平力をかけ、力学挙動を調べた。実験因子は、柱軸力比(0,0.15,0.30σ_y)ベースプレート下の立ち上げ部の高さ(0.15cm.30cm)である。柱脚は、柱壁面下部を切り欠き、その中にアンカーボルトを有する、いわゆるピン柱脚である。固定柱脚をもつ骨組にくらべスリップ部分のない安定したループをもつことがわかった。これは断面切り欠きにより早期に降伏し、アンカーボルト・ベースプレートの降伏に先行するためである。軸力が増大すれば、荷重が0付近で膨らみをもち、ループ面積は増大する。これは軸力によって柱脚部の拘束が大きくなり、脚部の回転が抑えられるからである。ピン形式であっても、柱頭部に対して20〜30%のモーメント負担がみられ、柱脚の剛性・耐力について検討を要することが明らかとなった。立ち上げ部の剛性が大きすぎたため、その影響は明確ではない。 複合応力を受けるアンカーボルト露出部の力学性状について述べる。実験因子はナット下部のねじ長さ(せん断面の位置)、定着長、径である。定着長の影響は小さく、現行の規準式で検討しても安全側にあるが、せん断力が卓越するとき、終局耐力に対する安全率はボルト自体の場合に比べ低下することがわかった。
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Research Products
(3 results)
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[Publications] S.Nakashima: "Failures of Column Bases and Foundations in Steel Stractures under Seismic Forces" Lessons from Structural Failures. 6巻. 39-51 (1996)
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[Publications] 大橋芳郎: "引張力・せん断力・組み合わせ応力を受けるアンカーボルト露出部の力学的性状に関する研究" 日本建築学会近畿支部研究報告集構造系. 第36号. 285-288 (1996)
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[Publications] 槇元宏幸: "鋼構造柱脚部の接合形式が門型ラーメンの力学的性状に及ぼす影響について(その5)-定軸力を受ける場合について-" 日本建築学会近畿支部研究報告集構造系. 第36号. 289-292 (1996)