1997 Fiscal Year Annual Research Report
はり降伏型鉄骨架構における柱脚接合部の変形性能に関する実験的研究
Project/Area Number |
08650690
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (C)
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Research Institution | Osaka Institute of Technology |
Principal Investigator |
中島 茂壽 大阪工業大学, 工学部, 助教授 (20090681)
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Keywords | 露出型柱脚部 / アンカーボルト / ピン柱脚 / くり返し載荷 / 単調載荷 / 埋め込み柱脚 / 固定度 / アンカー筋 |
Research Abstract |
本研究で行なわれた3種類の実験の概要を述べる。 (1)1層1張間の固定度の小さい柱脚(ピン柱脚)をもつ、はり降伏型の骨組に一定軸力のもとでくり返し水平力をかけ力学性状を調べた。その結果、従来ピン柱脚を考えていた形式に著しくモ-ナント抵抗が存在していることが明らかとなった。そこでモ-ナント抵抗の小さな柱脚を対象としてその力学挙動を調べた。実験因子は柱の断面形状(H形、口形)、アンカーボルトの配置である。角形鋼管柱の管壁中央にアンカーボルトを4本設けた形式はもっともモ-ナント抵抗が大きくなった。鋼管構造設計施工指針、同解説に示されている式で、実験値をほぼ予測できることがわかった。 (2)露出柱脚の回転剛性を確保することは困難であるので、浅く埋め込み床配筋することで力学性状を高めることが考えられる。そこで鋼管径の1倍を埋込み、床補強したものとしないもの及びアンカー筋をとりつけたものについて力学性状を調べた。アンカー筋補強はもっとも有効であることがわかった。 (3)アンカーボルトの露出部の性状を引張時とせん断時について調べた。実験因子はナット下部ねじ長さ・グラウト厚さ・さん断面の位置である。単調載荷とくり返し載荷し力学性状の相違を確認した。せん断面の位置がねじ部を含むか含まないにかかわらず、くり返し加力時耐力は低下し、その変形量が増すことがわかった。引張時、ボルトの付着力の有無が変形性状に影響することがわかった。
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Research Products
(3 results)
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[Publications] 吉森和男: "ピン形式の柱脚部が門型ラ-ナンの力学性状に及ぼす影響" 日本建築学会近畿支部研究報告集構造系. 37号. 233-236 (1997)
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[Publications] 大橋芳郎: "組合せ、引張、せん断力を受ける鋼柱脚アンカーボルト露出部の力学性状に関する実験的研究" 日本建築学会近畿支部研究報告集構造系. 37号. 237-240 (1997)
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[Publications] S.Nakashima: "Response of Steel Columu Base Connections under dateral Loading" 構造実験センター報. 10号. 51-58 (1997)