1996 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
08650692
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (C)
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Research Institution | Utsunomiya University |
Principal Investigator |
郡 公子 宇都宮大学, 工学部, 助教授 (20153504)
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Keywords | アトリウム / 煙突効果 / 自然換気 / エントランス侵入外気量 |
Research Abstract |
東京都心に建つアトリウムをもつオフィスビルの環境実測調査を行った。本建物は、温室型アトリウムをエントランスロビ-として有する35階建ての高層ビルである。アトリウム熱環境と空気流入出性状、高層棟の垂直方向の空気の通路となるシャフト類の温度、差圧・風量などの測定を行い、以下の知見を得た。 1.アトリウムの熱環境 測定したアトリウムはスポット冷房と床吹き出し冷房を行っており、夏期の居住域の室温は27℃程度に押さえられているが、アトリウム上部は60℃程まで上昇しており、上部高温面からの輻射熱のために体感温度はかなり暑く厳しい環境となっており、アトリウム上部の自然換気が重要であることがわかった。また冬期には煙突効果によるエントランスからの外気侵入のため、局部的に環境の厳しい箇所があることがわかった。 2.高層棟とアトリウムの空気流動特性 1)夏期の特性:高層棟の階段室やエレベータシャフトの空気温度は30〜32℃と外気温より高温で、夏期においても建物の下部から外気侵入、上部より空気流出という冬型の煙突効果が生じていることが明らかになった。 2)冬期の特性:エントランス階のエレベータホールの加湿実験からエレベータホールへの流入空気量を測定することを試みた結果、アトリウムへ流入した外気のうち高層棟へ移動する量は、エレベータホール容積基準では20回/h程度であることが明らかになり、またアトリウムとエレベータホールを仕切ることが冬期のエントランスからの外気侵入を押さえるために非常に高い効果があることがわかった。
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