1997 Fiscal Year Annual Research Report
住宅営団・三和町住宅の変遷に関する研究ー住宅地の自然環境と近隣関係の形成ー
Project/Area Number |
08650710
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (C)
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Research Institution | Saitama University |
Principal Investigator |
在塚 礼子 埼玉大学, 教育学部, 助教授 (30112973)
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Keywords | 住宅営団 / 計画住宅地 / 小公園 / 近隣関係 / 居住プロセス |
Research Abstract |
本年度は基礎調査(町史)の他、3つの地区を対象として抽出し、A.居住プロセスアンケート調査 B.居住継続者訪問インタビュー調査 C.公園巡回観察調査 D.道路への生活表出調査 E.交通量調査 の5種の調査を実施した。抽出したのは(1)2戸建て住宅で構成されていた典型地区、(2)1戸建て住宅で構成されていた典型地区、(3)南北道路に特徴のある地区である。 1.基礎調査(町史)については、三和町住宅・住宅地変遷の原点となる全880戸の当初の住戸型についてほぼ即地的に明らかにすることができた。 2.A.調査においては、対象3地区の全住戸にアンケート調査を配付、220世帯中100世帯から回答を得た。建設当初から居住継続している世帯は3割程度であること、払い下げのあった昭和20年代の後半より設備空間と子供室の確保を主目的として増築が活発化し、昭和40年代より建て替えが進行、現在2度目の建て替えが始まり、その際、3階建てへの志向が強まっている状況が明らかになった。 3.B.調査は、A.調査回答者の内、三和町住宅地の建設当初からの居住者を対象とした。昭和30〜40年代の増築や建て替えには貸間やアパート経営を目的としたものが一定の割合を占めており、住宅規模の拡大は必ずしも居住水準向上には繋がっていなかったこと、それは時代変化に伴い短期間で終了し、その後は親子同居や2世帯居住に活用されていることが新たな発見である。また、小公園を中心に区画された特徴ある住宅地計画や、共用井戸を中心とした連続的、開放的な宅地の姿が、子供にとって豊かな遊び環境であったことが捉えられた。 4.C.調査 D.調査 E.調査 も含めて分析を深め、さらに三和町住宅地の特性を踏まえた変容のメカニズムについて追及し、住宅・住宅地計画への示唆を得ていきたい。
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