1998 Fiscal Year Annual Research Report
住宅営団・三和町住宅の変遷に関する研究-住宅地の自然環境と近隣関係の形成-
Project/Area Number |
08650710
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Research Institution | Saitama University |
Principal Investigator |
在塚 礼子 埼玉大学, 教育学部, 教授 (30112973)
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Keywords | 住宅営団 / 計画住宅地 / 小公園 / 近隣関係 / 居住プロセス |
Research Abstract |
本年度は最終年度であるため、(1)住宅地全体の現況調査、(2)航空写真による典型地区の変容分析、(3)訪問面接調査、に加えて、これまで実施した様々な調査を総合した分析と考察をおこなった。 1. 基礎調査(町史)については、当初ほとんど専用住宅のみであった住宅地内に、時代に対応した種類の店舗が生成、消滅し、その集中する地区が変化すること、また、地域施設の位置と種類も住民生活に応じて変化していることを把握するとともに、住宅の分離(2戸建)と集合住宅化の動向ならびに階高と構造の変遷を明らかにした。 2. テーマ調査(自然環境と近隣関係)については、市民農園の役割の大きさを明らかにするとともに、建設当初の街廊(計画当時の用語)内部の宅地区画の遮蔽度などの外部空間構成と近隣関係とのかかわりが、現在も影響を残している状況を明らかにした。 3. テーマ調査(家族の世代交代と居住継続)については、最初の建て替え(昭和40年代)時に付設された貸間の存在とともに、近年の3階建て住宅の実現が、別居後の戻り同居を増やしている状況が見いだされた。 4. 共通調査(個人史)については、増築や建て替えとライフステージの関係について分析中であるが、まだ明確な傾向を見いだしていない。 5. 三和町と同時期に建設された相模原住宅地の見学調査、資料調査をもとにした比較考察によって、三和町の計画と変容過程の特徴をより明確にしつつある。
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