1996 Fiscal Year Annual Research Report
現代オランダの公共集合住宅における住戸・住棟の建築計画的特性に関する研究
Project/Area Number |
08650712
|
Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (C)
|
Research Institution | Chiba University |
Principal Investigator |
服部 岑生 千葉大学, 工学部, 教授 (40009527)
|
Keywords | 建築計画 / 住戸 / 住棟 / 都市型住宅 / オランダ / インフィル / 共用空間 / 日照 |
Research Abstract |
オランダは、高密居住の長い伝統を持つ大都市、アムステルダムとロッテルダムがあり、日本の見本となる都市型集合住宅が多い。特に、アムステルダムはコルビュジェ以前の閉鎖的住宅街区による近代的な都市計画が最初に行われ、20世紀初頭のヨーロッパの人工集中に悩む大都市野中で、いち早く住環境の水準確保を行ったことで、集合住宅づくりのモデルとなるものである。現在世界的に一般的な既成市街地の住宅街区の形態として、閉鎖型街区が見直されており、本研究では、アムステルダムおよびその対比となるもうひとつの大都市ロッテルダムの都市型集合住宅の建築計画の研究を行った。オランダの都市型集合住宅では、一般的に中層(6階建て程度)のインフィル型集合住宅のタイプと都市ビラ型と呼ばれる中層の4戸一の組み合わせによるボックス型集合住宅が一般的である。その建設動向は、都市内では再開発や部分更新によるインフィルの撤去と再挿入の頻度によるが、最近年ではほぼ半々のようである。インフィル型は、既成市街地の部分更新に多用され、その場所のコンテキストに対応してデザインが行われている。ビラ型は、大規模な跡地利用など新規建設が行われる際に採用されている。需要は、オランダの十分に発達した交通網のより、郊外居住と都市居住の差別がなくなってきたことで、集合住宅から戸建て住宅にシフトしており、ビラ型に関心が高まっている。特に新しい建築特性を付加することなく内部の性能を確保することにエネルギーが注がれていることが明らかになった。今後は、建築計画の面積比率などのハード特性を中心に研究を進めたい。
|
Research Products
(1 results)