1997 Fiscal Year Annual Research Report
住宅・福祉の創造的協調型まちづくりの研究-震災地区におけるウェルビーイングの居住環境モデル
Project/Area Number |
08650730
|
Research Institution | CHIBA UNIVERSITY |
Principal Investigator |
延藤 安弘 千葉大学, 工学部, 教授 (30026116)
|
Keywords | コレクティブ・ハウジング / 公営住宅 / 共生型集住体 / 高齢者 / コミュニティ / 自立 / ワークショップ / 参加 |
Research Abstract |
高齢者住宅,親密なコミュニティ,地域社会への帰属感など,社会的ハウジングの文脈において考慮にいれるべき課題は,今日積極的に探求されなければならない。 現代の様々な住宅供給は,家族を分離し,近所づきあいの雰囲気を損ねているが,居住者たちは,もうひとつのハウジングを求めている。もし住み手たちが ・協同居住 ・自立した住戸 ・計画への参加 を望むならば,それがコレクティブハウジングである。 阪神淡路大災後のパイオニア的プロジェクトとして,公営コレクティブハウジングのコンセプトは,伝統的な下町コミュニティの長所をたちあげている。 計画的段階のみならず,入居前のワークショップでの日本最初のユーザー参画型公営コレクティブ住宅が,神戸市の真野地区に1998年のはじめに建てられることになっている。そこではユーザーは高齢者にやさしい環境と,清掃,草花育て,食事など,日常生活機能の協同化の機会を望んだ。 人々はこうしたコレクティブハウジングを,時々使う目的的な集会所とは違った,自分の家の延長と考えることになる。それはいわば,従来のモノとしての住宅供給や制度的福祉をこえて,「ウェルビーイング」=「一人ひとりがよりよく生きる」という自立と支え合いをもとに,住宅・福祉の緊密な関係による生き生きとした居住状況をもたらす。コレクティブハウジングはウェルビーイングの居住環境モデルである。 本研究は,ウェルビーイングの居住環境モデル構築の視点から,コレクティブハウジングの計画プロセスのワークショップが,楽しみながら共に住むことの意味や効果について,気づきを助長することを明らかにしている。
|
Research Products
(3 results)
-
[Publications] 延藤安弘、森永良丙、他: "ユーザー意識の高揚を伴った協同居住型集住体の設計プロセス-真野コレクティブハウジングの計画項目" 日本建築学会大会技術講座梗概集. 199-200 (1997)
-
[Publications] 森永良丙、延藤安弘、他: "ワークショップによる空間計画の質的変化-真野地区コレクティブハウジングの計画的研究(2)" 日本建築学会大会技術講座梗概集. 201-202 (1997)
-
[Publications] 斉藤由佳、延藤安弘、他: "ワークショップにおける参加主体の意識の変容プロセス-コレクティブハウジング" 日本建築学会大会技術講座梗概集. 203-204 (1997)