1996 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
08650742
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (C)
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
藤森 照信 東京大学, 国際・産学共同研究センター, 教授 (80159128)
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Keywords | 建築家 / 建築界のリーダーシップ / 図面・建築作品 / 戦後建築総体基礎資料 |
Research Abstract |
本研究は、日本の建築が、第二次大戦後半世紀の間に大いに発展し、現在では世界の建築界のリーダーシップをとるまでになっている。村野藤吾、前川国男、坂倉準三、丹下健三、吉阪隆正、清家清、浜口隆一といった優れた建築家や建築評論家の努力によるところが大きい。戦後をリ-ドした建築家たちの事跡についての歴史的研究が非常に乏しく、戦後建築総体の基本資料を得ることを大きな目的としている。 平成8年度は、早急な課題として、丹下健三をテーマとした。 丹下は戦後の日本の建築界をリ-ドし、日本の建築デザインのレヴェルを世界に互するまでに引き上げた功労者であるが、しかし、本人は資料への関心が薄く、図面をはじめとする諸資料の保存状況もはっきりせず、また『私の履歴書』のような人生論的回想は記しているものの、建築についてはほとんど回想らしい回想は残していない。 よってまず、丹下について基礎資料を得ることを本年度研究の目的とした。 (1)丹下の全面的協力による資料の収集(図面、論文、作品写真) (2)丹下の本人回想のインタビュー録作成(作品一つ一つの設計思想、設計過程などを聞く)。 (3)丹下作品下建築作品の視察、撮影。(現状建物所の実査) 本年度は(1)から(3)を併行して行なった。 (1)の文献収集については、学会図書館、国会図書館など作品発表掲載著論など、年代別、作品別と数冊のファイルに収集することができた。 (2)丹下本人の回想インタビューについては、回想の談録が作品一つ一つについて設計経緯、特徴、その時の構想などを追って聞き進めるのだが、高齢のため年代の混乱、記憶の相互ズレなどがあり、また体調の配慮と、なかなか困難で有ったが、順調に半分くらい進めることができた。(3)の丹下作品の現状実査を後半期に全力を尽くして現地踏査した。平成9年度は、他の建築家の活動を上記手段にて研究を進める。
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