1997 Fiscal Year Annual Research Report
歴史的建造物保存修復技術の考え方と方法-地方文化財修復指針の作成-
Project/Area Number |
08650759
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (C)
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Research Institution | Nara National Research Institute for Cultural Properties |
Principal Investigator |
木村 勉 奈良国立文化財研究所, 建造物研究室, 室長 (60280608)
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Keywords | 修復 / 保存 / 文化財建造物 / 歴史的建造物 / 修理 / 活用 / 保全 / 復原 |
Research Abstract |
(1)修復された地域文化財のリストの作成 昨年度に倣い、群馬県、東京都と千葉県の一部、島根県・岡山県、長崎県、佐賀県の一部など、比較的集中している地域にしぼり、各県へ、県指定及び市町村指定の文化財指定物件の情報提供を依頼したうえ、各市町村に問い合わせることによって文化財建造物に関する詳細な情報を得た。 (2)地域文化財の修復及び活用状況の実地調査 作成したリストにしたがい、文化財建造物を実証調査した。調査内容は、事業の態勢、事業の計画、調査の内容、修復方針の検討、施工状況、記録の作成、維持管理態勢、活用状況などがどのようになされているかを、建物を観察するとともに、関係者に聞き取り取材した。また、神戸市の重要伝統的建造物群保存地区北野町山本通地区の建造物の震災復旧におけるさまざまな考え方・方法による修復状況を調査した。 (3)現在までの調査における所感 これまで把握されていなかった(2)について、今後さらに選択しながら全国的に調査をすすめる予定である。現在までのところ、各地・各建物によって修復の考え方や方法はかなり異なることが明らかになりつつある。異なるばかりでなく、修復の目的やあり方の基本が認識されていないまま、一般建築と変わらない改修がなされている場合も多い。一方、指導者の存在によって優れた修復のおこなわれている地域もある。共通の指針の必要性を強く感じる。なお、今回訪ねた地域は過疎地が多く、それらの地域の歴史的建造物はほとんどが「郷土資料館」として利用されているが、展示のために建物の内部空間が損なわれていること、見学者・利用者が少なく、日常管理も不十分で、建物が活かされているとは言いがたいものが多くあった。
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