1998 Fiscal Year Annual Research Report
歴史的建造物保存修復技術の考え方と方法-地方文化財修復指針の作成-
Project/Area Number |
08650759
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Research Institution | NARA NATIONAL CULTURAL PROPERTIES RESEARCH INSTITUTE |
Principal Investigator |
木村 勉 奈良国立文化財研究所, 建造物研究室, 室長 (60280608)
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Keywords | 修復 / 保存 / 文化財建造物 / 歴史的な建物 / 修理 / 活用 / 地域文化財 / 復原 |
Research Abstract |
(1) 地域文化財の修復状況実地調査の補足 (1) 事業の態勢:事業主、学識経験者の指導、設計監理者、施工者、伝統技能者の構成 (2) 当初の計画:基本方針の策定、修復程度の判断/全体計画/解体の程度と範囲 (3) 解体調査:素屋根の必要性、解体部材の保管など/解体時におこなうべき調査と方法、調書の整理と公表 (4) 調査結果の分析と修復方針の検討:調査結果にもとづく建造物の再評価/復原方針の検討/具体的修理方法の検討/構造補強方法の検討/活用方法の検討/活用にともなう諸施設、諸設備と本体の関係の検討 (5) 実施計画と修理工事:遺存する在来施工(部材・材料・施工自体)を尊重した修理、破損に応じた手立て、重要度に応じた遺し方/復原仕様、伝統的仕様の踏襲とその限界/維持のための仕様変更/保存の科学的な処置のあり方と方法/古色着けのあり方/近代の工業製品の復原と修理/構造補強の納め方/新しい設備類の納め方/工事期間の設定/技能者の選定/工事発注形態と事業の運営 (6) 記録の作成:報告書の刊行/映像による記録保存/野帳の保存/案内書などの作成 (2) 地域文化財保存修復技術に関する研究会「地域文化財保存修復の現状」の開催 地域文化財の保存修復が比較的活発におこなわれている県を対象に、修復事業の形態、行政の指導体制、保護審議会の機能、学識経験者・研究者の指導・助言、調査及び設計監理の実態、施工の実態、記録の作成、問題点と課題などについて、報告と意見交換をおこなった。 (3) 調査結果による総合的な検討と研究成果報告書の作成 地域文化財の修復状況の分析、重要文化財と地方文化財の比較検討、地方文化財の問題点の提起とその対策の検討などをふまえた保存修復技術のあり方について総合的な検討をおこない、「地域文化財保存修復技術の考え方と方法」指針案を作成した。
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