1996 Fiscal Year Annual Research Report
単結晶及び双結晶セラミックスにおける表面拡散のAFMによる研究
Project/Area Number |
08650788
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (C)
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Research Institution | Kanagawa Institute of Technology |
Principal Investigator |
伊熊 泰郎 神奈川工科大学, 工学部, 教授 (10159593)
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Keywords | バイクリスタル酸化マグネシウム / 単結晶酸化マグネシウム / 表面拡散係数 / 粒界溝の発達 / 多重溝の平滑化 / 原子間力顕微鏡 |
Research Abstract |
市販のバイクリスタルMgOと単結晶MgOを試料として用いた。バイクリスタルMgOを構成する2つの結晶粒子の表面は共に(100)面であり、これらの[010]方向の間の角度は24°の傾角粒界を形成していた。表面は研磨されており、粒界は肉眼やAFMでは判別できないが、偏光顕微鏡では判別できた。これを1100〜1400℃に10分〜28h加熱し、粒界溝の発達をAFMで観察した。その結果、粒界溝の幅wは時間tに対してt^<1/4>に比例し、表面拡散が粒界溝の発達を律速していること、AFMでは1100℃のような低温でしかも短い時間での粒界溝の発達が調べられることが分かった。この粒界溝の発達のデータを用いて計算した表面拡散係数は他の方法で得た過去の文献値と良い対応を示した。 単結晶MgOの表面も(100)面で、これに半導体のフォトリソグラフィー技術を利用して表面に多重溝(正弦波形)を施した。これを1050〜1200℃で2〜10h加熱して振幅Aの時間変化をAFMで調べた。Aとtの関係を解析して拡散係数を求めたところ、これらは粒界溝の発達で求めた表面拡散係数より3桁程大きいので表面拡散係数ではないと思われる。つまり、MgOの多重溝の平滑化は表面拡散以外で律速されているようである。 バイクリスタルと単結晶の両方のMgO試料で加熱時間が長くなると表面に突起が生成した。これをAFMで調べたところ加熱時間と共に大きくなり、高温程その傾向は強かった。この突起の生成原因などの詳細については今後検討する予定である。
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[Publications] Y.Ikuma: "Oxygen tracer diffusion in polycrystalline In_2O_3" J.Electrochem,Soc.143[8]. 2698-2702 (1996)
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[Publications] Y.Ikuma: "Defect structure of pure and Sn,Ca-doped In_2O_3" Ceram.Trans.71. 51-60 (1996)
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[Publications] 伊熊泰郎: "セラミックス中の拡散係数測定法" セラミックス. 31[11]. 894-898 (1996)
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[Publications] 伊熊泰郎: "AFMで拡散したバイクリスタルMgOの粒界溝の発達" 神奈川工科大学電子計算センター研究報告. (発表予定).
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[Publications] 伊熊泰郎: "酸化マグネシウム単結晶における多重溝の平滑化" 神奈川工科大学研究報告B理工学編. (発表予定).