1997 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
08650792
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Research Institution | Tokyo National College of Technology |
Principal Investigator |
阿久沢 昇 東京工業高等専門学校, 物質工学科, 教授 (70042702)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
中野 雅之 東京工業高等専門学校, 物質工学科, 助手 (50300546)
玉田 耕治 東京工業高等専門学校, 電気工学科, 講師 (40236740)
土屋 賢一 東京工業高等専門学校, 電子工学科, 助教授 (60188571)
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Keywords | インターカレーション / 炭素材料 / 電気伝導率 / 磁気抵抗 / 電荷移動 / XPS / セシウム / カリウム |
Research Abstract |
カリウム-黒鉛層間化合物のC1sスペクトルの組成依存性を決定した。カリウム濃度が増加するに従って、C1sスペクトルは徐々に高エネルギー側にシフトし、ピークはブロードになっていった。高エネルギー側へのシフトはフェルミレベルのシフトを反映したものと考えられ、これはカリウムから炭素π^*バンドへの電荷移動によるものと推定された。 CsC_<24>のようなアルカリ金属-黒鉛層間化合物は層間ナノスペースに種々の分子を取り込むことができる。このとき層間のアルカリ金属と分子とがどのように相互作用を行うか興味深い。CsC_<24>の電気伝導率はアセチレン吸蔵と共に比較的顕著に減少し、さらに吸蔵温度によって変化のしかたも大きく影響を受けることが確認された。これに対してエチレン吸蔵過程では電気伝導率の変化は10%以内とわずかであり、温度の効果も小さいことが認められた。これらの結果はエチレンではセシウムとの相互作用は少ないのに対してアセチレンでは強い相互作用が存在するためによると推測された。 結晶性の異なる炭素材料について、カリウムインターカレーションに伴う電気伝導率と磁気抵抗、ホール係数の変化を測定したところ、ホスト炭素材料の黒鉛化度の良好なサンプルほど電気伝導率が大きく、大きな磁気抵抗の値が観測された。非常に結晶性の悪い場合にはカリウムのインターカレーションによって電気伝導率は変化せず、見掛け状は半導体的温度依存性を示したが、ある程度結晶性が向上するとカリウムインターカレーションによって金属的温度依存を示すようになることが認められた。
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[Publications] N.Akuzawa: "Ethylene-Sorption Behavior of Alkali Metal-Graphite Intercalation Compounds" Extended Abstracts of The Europian Carbon Conference. Carbon 96. 116-117 (1996)
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[Publications] N.Akuzawa: "Hydrogen Physisorption by Potassium-Intercalated Mesocarbon Microbeads" Extended Abstracts of The Europian Carbon Conference. Carbon 96. 118-119 (1996)
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[Publications] 阿久沢 昇: "GICの新しい反応場への応用" 表面. 35巻. 27-31 (1997)
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[Publications] 阿久沢 昇: "炭素材料学会編 新・炭素材料入門" (株)リアライズ社(分担執筆), (1996)