1996 Fiscal Year Annual Research Report
炭素繊維強化複合材料から構成される新規なダンパの制振効率に関する基礎的研究
Project/Area Number |
08650794
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Research Institution | Tokyo Institute of Technology |
Principal Investigator |
住田 雅夫 東京工業大学, 工学部, 教授 (30016654)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
浅井 茂雄 東京工業大学, 工学部, 助手 (80212463)
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Keywords | 気相法炭素繊維 / 圧電セラミックス / PZT粒子 / ポリエチレン板状ダンパ / 制振特性 / パーコレーション / インピーダンス整合 / ジュール熱 |
Research Abstract |
導電性の気相法炭素繊維、圧電セラミックスのPZT粒子を充填したポリエチレン板状ダンパを作製し、片持ち梁法による振動減衰実験を行った。PZT粒子の体積分率を50%と一定に保ち、複合材料の制振特性を炭素繊維の体積分率の関数として評価した。この複合材料の電気伝導におけるパーコレーションしきい値はほぼ体積分率1%であり2-4%で転移領域4%以上で導電材料となる。材料の振動減衰の効果を減衰時定数から評価した結果、炭素繊維体積分率2%で最も速く減衰することがわかった。この時の炭素繊維充填量は複合材料の電気伝導性が絶縁体と導電体の中間の領域である。この制振体の電気的等価回路は圧電セラミックの静電容量Cと、炭素繊維の導電路の抵抗Rの並列結合で表現できるので、この回路で消費されるジュール熱が最大となるのは位相角45度のインピーダンス整合が成り立つ時である。炭素繊維体積分率が2%で減衰時定数が最小、つまり損失係数が最大となる実験結果はこの炭素繊維強化複合材料から構成されるダンパでは、PZT粒子に伝達された力学エネルギーが圧電効果によって電気エネルギーに変換され炭素繊維から構成される導電路に電流を流すことでジュール熱として消費されることによって制振特性が発現され、制振効率はインピーダンス整合条件を満たす時最大になることが明らかになった。炭素繊維充填によって、炭素粒子(カーボンブラックなど)に較べて低体積分率で導電性を持ち且つ弾性率が増大するので、高剛性で軽量の新規なダンパの可能性が開けるものと考えられる。
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