1997 Fiscal Year Annual Research Report
イモゴライトを一成分とする新しいゴム糸複合材料の創製
Project/Area Number |
08650797
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Research Institution | Kyoto Institute of Technology |
Principal Investigator |
池田 裕子 京都工芸繊維大学, 工芸学部, 助手 (10202904)
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Keywords | イモゴライト / 充てん剤 / ゴム / 無機高分子 / 力学特性 / 補強性 / 加硫 / 粒子 |
Research Abstract |
天然の無機高分子であるイモゴライトをスチレン-ブタジエン共重合ゴム(SBR)に混練りしてその補強充填効果を検討した。熱重量分析の結果、イモゴライトは親水性で吸水性があり、シリカと同様、ジエチレングリコール(DG)の添加により加硫時間が短くなってトルクも上がり、加工性が改善されることが判った。DG添加系でイモゴライトの充填量を10,20,30量部と変量してその充填効果を調べた結果、イモゴライトを充填するほどモジュラスや破断強度、破断伸びが大きくなることが判った。しかし、シリカやカオリンクレーと比較した場合、高伸長時におけるイモゴライトの補強性は小さく、水酸化アルミニウムと同程度であった。ところが、イモゴライトを充填したSBR架橋体のヤング率はカオリンクレーの場合と同定度で、かつ動的粘弾性試験の結果からも、イモゴライト充填SBR架橋体が低変形時においてシリカに次ぐ物性を示すことが明らかとなった。透過型電子顕微鏡観察の結果、本研究で用いたイモゴライトの粒径は0.3μm〜1.5μmと大きいことがわかり、カオリンクレーやシリカと比べて非常に大きいにもかかわらず、上述の結果が得られたことは、今後イモゴライトの微粉末化を行うことによって、さらに優れたゴム用充填剤となる可能性が高いことを示唆した。現在、シランカップリング剤やアルコキシシランのin situ反応を利用してイモゴライトの補強性を向上させる研究を続行している。
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