1997 Fiscal Year Annual Research Report
エコロジーを考慮したAl-Al_3Fe傾斜機能材料の開発
Project/Area Number |
08650799
|
Research Institution | Kagoshima University |
Principal Investigator |
福井 泰好 鹿児島大学, 工学部, 教授 (00117540)
|
Keywords | 傾斜機能材料 / 真空鋳造 / 金属間化合物 / 材料試験 / 引張り性質 / 複合則 |
Research Abstract |
継続的に改良を加えてきた自製の遠心鋳造装置でのノウハウを基礎にして、真空容器中で遠心鋳造できる傾斜機能材料作製システムを設計。製作した。このシステムを用いて市販のAl-50mass%Fe合金をベースに別途作製したAl-Fe母合金により、長さ90mm、外径90mm、肉厚12mmのAl-Al_3Fe傾斜機能材料厚肉円筒の作成プロセスを確立することができた。作成したAl-Al_3Fe傾斜機能材料厚肉円筒を素材として、 1)Al_3Fe粒子形状・寸法は、厚肉円筒管内の半径方向の位置によって変化し、外周側は最大数百μmのやや長手の太い棒状組織であるのに対し、内周側では幅百μm程度の針状組織となる。 2)Al_3Feのヤング率E=190GPa、線膨張係数α=13.2×10^<-6>K^<-1>であり、均質とみなすAl-38vol%Al_3Fe材では、密度ρ=3160kgm^<-3>、ヤング率E=100GPa、線膨張係数α=20.1×10^<-6>K^<-1>、内耗Q^<-1>=0.0012である。 3)Al-Al_3Fe傾斜機能材料の組成傾斜は、Al_3Feが0〜40vol%の範囲で増加し、この組成傾斜分布に対応して、アルミニウムマトリックスのマイクロビッカース硬さは、Hv=39〜46程度の範囲で増加する Al_3Feの0〜40vol%の範囲で増加に対応して、ヤング率はE=71〜99.5GPaの範囲で増加するが、線膨張係数はα=25.5×10^<-6>〜21.3×10^<-6>K^<-1>の範囲で減少し、平均比剛性E/ρ=2.9×10^6m^2s^<-2>である。 5)均質とみなす平均約28vol%Al_3FeのAl-Al-_3Fe引張り試験片において、最大引っ張り応力86MPa、破断ひずみ0.44%であり、ヤング率E=90GPaという値となる。 ということを明らかにし、本研究で完成させた真空遠心力法のためのシステムを用いて作製したAl-Al_3Fe傾斜機能材料が、要素・構造用材料として極めて良好な可能性を持つ素晴しい材料と考えられることを示している。
|