1997 Fiscal Year Annual Research Report
CVI法を用いたPSZの添加によるMOSi_2の変態強靱化に関する研究
Project/Area Number |
08650805
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (C)
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Research Institution | Tohoku University |
Principal Investigator |
吉川 昇 東北大学, 大学院・工学研究科, 助手 (70166924)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
菊池 淳 東北大学, 大学院・工学研究科, 教授 (00005307)
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Keywords | 硅素モリブデン / ジルコニア / 化学気相浸透 / ポストアニール / 正方晶相 / 変態強靱化 / 浸透距離 |
Research Abstract |
本年度においてはMoSi_2に化学気相浸透(CVI)したZrO_2の組織観察および浸透のkineticsにする研究を行った。行った実験の概要、および得られた実験・解析結果は次のとうりである。 気孔率約15%の多孔MoSi_2焼結体を用い、ジルコニウムノルマルプロポキシドを原料とし、種々の条件(基質温度、ガス圧力、ガス組成)下でZrO_2を化学気相浸透させた。得られた試料における浸透組織、距離をSEM-EDXにより観察・測定を行った。また試料を大気中で種々の温度に加熱し、それらの試料のX線回折およびTEM観察を行った。 673Kの浸透温度においては、操作圧力が低すぎる(20Torr以下)と原料濃度の増加により、焼結体表面に析出層を形成してしまい、浸透が抑制されることが分かった。より低い温度において低いガス濃度で浸透させることが重要であることが明らかとなった。この浸透距離に関して定量的な表を行う目的から、一次元物質移動モデル解析を行ない、大略説明することができた。 一方673K以下では析出したZrO_2は非晶質相であり、本研究の目的であるZrO_2の応力誘起相変態を発現するためには浸透体のポストアニールを行い、正方晶ZrO_2相を得る必要があることが分かった。873Kで1時間加熱を行った試料では、数nmの微細結晶粒が得られたが、十分な結晶化が得られないことが分かった。また1073Kでの加熱によると数十ミクロンの粒径を有するZrO_2等軸結晶粒が観察された。この中には、若干量の単斜晶相が存在したため、変態強靱化のためには873K〜1073Kのポストアニール温度が最適であることが判明した。
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Research Products
(1 results)