1998 Fiscal Year Annual Research Report
CVI法を用いたPSZの添加によるMOSi_2の変態強靱化に関する研究
Project/Area Number |
08650805
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Research Institution | Tohoku University |
Principal Investigator |
吉川 昇 東北大学, 大学院・工学研究科, 助手 (70166924)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
菊池 淳 東北大学, 大学院・工学研究科, 教授 (00005307)
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Keywords | MOSi_2 / ZrO_2 / 変態強靱化 / 化学気相浸透 / 有機金属前駆体 / 微細組織 |
Research Abstract |
本研究においては、MoSi_2焼結多孔体にZrO_2を化学気相浸透(CVI)法により添加し、ZrO_2の変態強靭性を援用し、ZrO_2/MoSi_2強靭化複合材料を作製することを目的とし、実験を行った。本研究では、材料製造過程および変態強靭性に関する基礎的な知見を得る目的から純ZrO_2の添加を行った。最適な浸透プロセス条件について調べるとともに、ポストアニーリングによる組織変化に関し調べ、変態強靭化を発現するための最適条件に関し検討した。本研究においては、曲げ試験等の機械試験を行うに十分な緻密なバルク体を作製することが不可能であったが、得られた複合体の機械特性の評価を行った。この結果以下の結論を得ることができた。 1,Zr(n-Pr)_4を原料として、化学気相浸透を行うことにより、数ミクロンオーダーの微細結晶粒の周囲にも十分な被覆が可能であった。 2,浸透析出したZrO_2はすべて非晶質であり、これをポストアニールする必要があった。大気中1073Kで1時間というアニール条件において、ZrO_2析出層は粒径数10nmの等軸結晶粒から構成されていたが、その中に単斜晶相の存在も見られた。従って、変態強靭化の発現のためには、これ以上の温度、処理時間を費やすことは不適当であると考えられる。 3,MoSi_2焼結多孔体硬度に比較し、ZrO_2添加することにより硬度の大きな増加が得られた。複合体においても20GPaに及ぶ硬度を発現することができ、浸透の量による機械特性の相違も確認できた。ビッカース圧痕周囲においてクラックの発生が観察されないような高靭性も確認できた。また機械加工前後において、応力誘起変態を確認することができた。
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[Publications] Noboru Yoshikawa: "Kinetics of Metal Organic Chemical Vapour Infiltration and Microstructures of Amorphous and Nano-Crystalline ZrO_2 incorporated into Partially Sintered MOSi_2 Matrix" Proceedings of the Third Pacific Rim Conference on Advanced Materials and Processing. 531-536 (1998)
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[Publications] Noboru Yoshikawa: "Incorporation of ZrO_2 into MOSi_2 Porous Bodies by Chemical Vapour Infiltration" Key Eng.Mater.161-163. 275-278 (1999)