1997 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
08650808
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Research Institution | Miyagi National College of Technology |
Principal Investigator |
秋山 友宏 宮城工業高等専門学校, 機械工学科, 助教授 (50175808)
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Keywords | 水素吸蔵合金 / 燃焼合成 / マグネシウム、ニッケル合金 / 熱伝導率 / 反応速度 / 形態学 |
Research Abstract |
実用水素吸蔵合金の水素貯蔵能力は1-3%の範囲にあり、さらに高水素吸蔵能のより安価な合金開発が現在の研究開発の最大課題と位置づけられている。一方、3.4%以上の高い水素吸蔵能力を持つマグネシウム系合金は,資源的にも環境適合性からみても好ましく、現在までにMg_2Ni合金やMg-10%Ni合金が提案されている。しかし、マグネシウム系合金は蒸気圧が高く簡単には合成できない。例えば純度99.9%のMg-Ni合金を得るために少なくとも5回以上の再溶解手順を必要とし,さらに得られた合金は活性化処理(水素の吸蔵・脱蔵を温度と圧力を制御し10数回以上繰り返す操作のこと)が不可欠である。そのためエネルギー,時間を浪費し合金価格の上昇を引き起こしていることが実用化を阻む一大要因となっている。 1995年,申請者は新規の方法によりこの合金を合成することにはじめて成功した.すなわち、マグネシウムとニッケル微粒子を均一に混合し加圧成形し,常圧不活性雰囲気(Ar)下で加熱すると発熱を伴う固体間反応(2Mg+Ni=Mg_2Ni)が自発的に伝播し,マグネシウムが気化することなく、一度で高純度合成が完了することを確認した。 本研究プロジェクトでは、原料粉末金属から、直接それも瞬間的に短時間で金属水素化物を製造するプロセスの研究に着手した。具体的にはマグネシウムおよびニッケルの原料金属粉末を十分に混合した後圧粉成形し、高圧水素雰囲気中で加熱することによりMg_2NiH_4の合成を試みた。その結果予想通りこの合金を得ることに成功した。この方法は活性化処理が不要であることから省エネルギーの観点から極めて魅力的であると結論づけることができる。さらに、この反応機構を解明するために、熱伝導率の変化、形態変化および反応速度を調査した。
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[Publications] T.Akiyama et al.: "Hydriding Combustion Synthesis for Production of hydrogen〜" Journal of Alloys and Compounds. 252. 1-4 (1997)
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[Publications] T.Akiyama et al.: "Thermal Conductiuity During Combustion Synthesis for Production〜" Exp.Heat Trans.,Fluid Mech.Thermodynamics. 4. 2567-2573 (1997)
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[Publications] T.Akiyama et al.: "Reaction Rate of Combustion Synthesis of Intermetallic Compound" Powder Technology. 95・2. 175-181 (1998)
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[Publications] 高野,秋山,小林,八木: "燃焼合成したMg_2Niの形態" 日本金属学会誌. 61. 166-170 (1997)
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[Publications] 秋山友宏,八木順一郎: "次世代燃焼とマグネシウム系水素吸蔵合金" 金属. 68. 13-18 (1998)