1996 Fiscal Year Annual Research Report
析出硬化型粒子分散強化合金における高温クリープ強度の予測
Project/Area Number |
08650809
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (C)
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Research Institution | Akita University |
Principal Investigator |
後藤 正治 秋田大学, 鉱山学部, 教授 (50005948)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
麻生 節夫 秋田大学, 鉱山学部, 助教授 (80167915)
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Keywords | 高温構造材料 / 分散強化合金 / オストワルド成長 / 高温変形 / 析出強化 / クリープ強度 |
Research Abstract |
火力発電プラント用タービンブレ-ドに代表されるような高温構造材料では、実用中に内部構造の変化などによりクリープ劣化を起すことが多く、材料に対する信頼性の点からクリープ強度予測が問題となっている.実用材では多くの第2相粒子を含んでいるので、粒子分散強化合金のクリープとしての研究が盛んに行われて来たが、従来は結果の解析の都合上できるだけ安定な粒子を分散させた合金について行われて来た。ところで、実用材では析出粒子等のように熱的には安定性に欠ける粒子で強化している場合がほとんどで、実際分散粒子の分散状態事態がクリープ変形中に大きく変わることが報告されている.したがって、安定粒子を含む分散強化合金のクリープ研究で得られる結果は、直接実用材に適用することはできない。そこで本研究ではこれまでの安定粒子に対する研究で得られた結果を基礎にして、クリープ変形中に粒子の分散状態が変化する場合のクリープモデルを構築するとともにクリープ予測を行うことを目的とした。 平成8年度は粒子の分散状態が時間や温度とともに変化することを考慮に入れたクリープ変形モデルを作成してシュミメーション実験を行い、その妥当性について検討した。その結果、クリープ変形挙動やクリープ変形に重要な因子であるしきい応力の挙動について検討した結果、これらは本研究で提案したモデルから明確に予測できることが確認された。これらの成果は素材物性学雑誌に掲載された。またこれと並行に、析出挙動が明らかなA1-1.0 mass%Siの析出硬化型合金を用いてクリープ変形中に分散状態が変化するような条件でクリープ実験を行い、実験結果とモデルとの突き合わせを行って、分散粒子が安定でない場合の高温クリープ挙動の予測について明らかにしている.この成果については後日学協会誌に公表の予定である。
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Research Products
(1 results)