1998 Fiscal Year Annual Research Report
Cu-TiNおよびCu-Mg-TiNナノ結晶材料の作製と機械的性質
Project/Area Number |
08650821
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Research Institution | Himeji Institute of Technology |
Principal Investigator |
荻野 喜清 姫路工業大学, 工学部, 教授 (10047574)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
山崎 徹 姫路工業大学, 工学部, 講師 (30137252)
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Keywords | Nanocrystalline alloys / Superplasticity / Mechanical alloying / Copper alloys |
Research Abstract |
硬質粒子により組織的に安定化したナノ結晶合金は高硬度であるが,一般に塑性加工が困難である.この種の合金の塑性加工法として,固液相共存下における加工が考えられるそこで,メカニカルアロイング法により作製した平均結晶粒径約15nmのCu-Mg(5,10,14at%)-TiC(12 vol%)ナノ結晶合金の半固体状態における超塑性変形挙動について調べた. Cu-Mg系の共晶点(722°C)以上の温度で引っ張り試験を行った結果,液相の生成に伴って流動応力は低下し,伸び率が急増した.全ての合金において,液相の原子分率が約0.5のときに,約200%の最大伸びが得られた.歪速度感受性指数は液相分率の増加に伴って増大し,最大伸びを示す温度において,約1の値を示した.変形中のミクロ組織変化を詳細に調べた結果,変形中にTiC粒子のミクロ偏析が進行し,最終的にはTiC粒子密度の低い領域に液相が凝集して破断することが明らかにされた.また,最大伸びを示す温度における引っ張り試験後の平均粒径は約30nmで,多量の液相が存在するにかかわらず,ナノ組織が保存されることが明らかにされた.この変形は,粒界と3重点における液相の存在下で,引っ張りおよび圧縮応力部における融解と再析出,ならびに液相を通しての拡散を生じ,粒界すベリが著しく促進されるために生じると推定された. さらに,ナノ合金同士および,ナノ合金と銅の拡散接合性について調べた結果,半固体状態において,ナノ組織を保持したままの拡散接合が極めて容易に達っせられることが明らかにされた.
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