1996 Fiscal Year Annual Research Report
ハイブリッド型セラミックス分散強化金属間化合物基コンポジットの構築
Project/Area Number |
08650822
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (C)
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Research Institution | Sophia University |
Principal Investigator |
野末 章 上智大学, 理工学部, 教授 (80146802)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
鈴木 啓史 上智大学, 理工学部, 助手 (30154579)
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Keywords | 複合材料 / 力学特性 |
Research Abstract |
セラミックス,金属間化合物等が次世代の構造用材料として注目されている。力学特性の優れた材料を開発するには,高い強度のセラミックスと金属間化合物,ならびに大きな延性と高い破壊靱性を有する金属について,それぞれの優れた力学特性を生かすような複合化が必要である.セラミックスと金属の複合材料であるサ-メットは硬質材料の脆性を改善するために開発されている.合金元素が非平衡状態で強制的に固溶されているアモルファス合金において,その粉末の焼結体は力学特性に優れた合金となる可能性がある.このバルク結晶化は,この材料がアモルファス状態を経ているため,通常の溶解法はまた焼結法で生成された材料とは異なり,多量な元素の均一固溶,難焼結体の成形等が可能となる特長を有している.すなわち,セラミックスと金属間化合物が多量,微細かつ均一に分散した高強度な複合材料の製造が期待できる.本研究では,耐熱合金の基本組成の一つであるNi,および硬質耐磨耗材料として注目されている硼化物系サ-メットの基本組成であるMo,Ni,Bを含有するNi_<60>Mo_<30>B_<10>アモルファス粉末合金をホットブレスによりバルク結晶化し,熱処理を施すことにより,硼化物,Ni-Mo系金属間化合物,Ni固溶体を分散させた複合材料を作製し,これらの材料の高温を含めた力学特性について検討した。ホットプレス状態の、室温における圧縮強度、硬さ、破壊靱性はそれぞれ、2.98GPa、HV870、14.6MPa√<m>となった。通常のセラミックスのように強度は高く、加えて破壊靱性も高い。その原因を探るべく、き裂進展のその場観察と破断面のマッチング観察を行った。その結果、き裂は分散物である硼化物を避けるように進展していることが判明した。これはき裂の偏倚に基づくExtrinsic tougheningによる靱性向上であると理解される。
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