1996 Fiscal Year Annual Research Report
MA-SHS法によるメゾスコピック多相構造Niアルミナイドの製造とその機械的性質
Project/Area Number |
08650824
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Research Institution | Teikyo University of Science & Technology |
Principal Investigator |
落合 鍾一 帝京科学大学, 理工学部, 助教授 (70169324)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
釘田 強志 帝京科学大学, 理工学部, 助手 (80225127)
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Keywords | NiAl / MA / SHS / HIP / 粉末冶金 / Cr / Mo / W |
Research Abstract |
本研究の目的は,NiAlの常温延性の改善を目指してMA-SHS法によるメゾソコピック構造NiAl-β(Cr,Mo,W)多相合金を製造し,その機械的特性を調べることである。 本研究では先ず予備実験としてNi-49mol%Al組成をもつNi-Al混合粉末について,SHS挙動に及ぼすMA処理の影響を調べた。MA処理は振動ボールミルを用いた。その結果,MA=36ksの場合SHS中溶解反応は現れず,元の形状が保たれた。このことはMA処理によりSHSプロセスの制御が可能であることを示唆している。MA時間が長くなるほどSHS材の結晶粒径が小さくなり微細化することが見いだされた。 この結果を踏まえ,NiAl相に対する体積率が10,20および30vol%となるようにCr,MoおよびWをそれぞれ混合した粉末に対し,MA処理を36ks施した。得られたMA粉末はメゾスコピック構造を有し、これら粉末をSHS処理に供したところ,NiAl中にサブミクロンオーダーのβ相が均一に分散した微細複合組織が得られた。これらはボイドを多く含むため,さらにHIP処理(1400℃x1800atmx7.2ks)を施した。Crを含む試料ではβ相の粗大化が認められたが,MoとWを含む試料では結晶粒径が3μm以下の極めて微細な多相構造が得られた。メゾスコピック構造をもつMA粉末を用いてHIP焼結体が同構造を維持するためにはさらにMA時間を長くし,反応エンタルピーを抑制する必要があると考えられる。 常温で圧縮試験したところ,分散β相の体積率が増加するほど流動応力,破壊応力並びに破壊歪みが増大しており,これらのことはβ相を含む微細多相構造とすることでNiAlの強度増加と延性改善が同時に実現されたことを示唆している。
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