1996 Fiscal Year Annual Research Report
高温高圧水環境で用いる固体電解質ECPセンサの試作
Project/Area Number |
08650828
|
Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (C)
|
Research Institution | Tohoku University |
Principal Investigator |
原 信義 東北大学, 工学部, 助教授 (40111257)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
赤尾 昇 東北大学, 工学部, 助手 (80222503)
杉本 克久 東北大学, 工学部, 教授 (80005397)
|
Keywords | 電気化学電位センサ / 高温高圧水 / 安定化ジルコニア / 固体電解質センサ |
Research Abstract |
1.研究目的 沸騰水型原子炉では,ステンレス鋼製器機・配管の粒界応力腐食割れ(IGSCC)および照射誘起応力腐食割れ(IASCC)の予知・保全対策の確立が急務となっている。SCCのクラック伝播速度は鋼の腐食電位が臨界電位を越えると急激に増加することから,腐食電位をモニタすることできれば,割れ発生やその進展を予知することが可能になる。本研究では原子炉冷却水中での腐食電位計測が可能な電気化学電位(Electrochemical potential, ECP)センサを開発することを目的とする。 2.研究成果 (1)高温高圧水用固体電解質ECPセンサの作製:安定化ジルコニア(ZrO2-8mol%Y2O3)板の裏片面にNi-NiO薄膜基準電極を一体形成したpH電極部と,pH既知の干渉溶液を含浸した多孔質アルミナ細片およびPTFEろ紙で構成されるpH緩衝機構部から成るECPセンサを試作した。 (2)起電力の温度依存性の測定:試作したセンサとAg/AgCl内部照合電極を組み合わせて,起電力の温度による変化を150〜250℃の範囲で測定した。pH緩衝機構部の内部液に酸塩緩衝溶液および純水を用いて試験した結果,温度200℃以上における本センサの起電力はNernst型の温度依存性を有することが分かった。 (3)試験溶液の種類およびpHによる起電力変化の測定:試験溶液の組成およびpHを種々変化させて起電力を測定した。その結果,組成やpHによらず常に一定の起電力が得られることが分かり,本センサがECPセンサとして正しく動作することが明らかになった。
|