1996 Fiscal Year Annual Research Report
マイクロマシン創製用超塑性材料のナノ成形加工特性に関する研究
Project/Area Number |
08650834
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Research Institution | Gunma University |
Principal Investigator |
早乙女 康典 群馬大学, 工学部, 助教授 (90143198)
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Keywords | マイクロマシン / マイクロマシニング / 超塑性 / アモルファス合金 / 成形加工特性 |
Research Abstract |
寸法1mm^3以下の微小電子機械システム,通称マイクロマシンのためのマイクロ機構部品,センサ,アクチュエータなどの創成のための材料とその評価法,とくに微細成形特性の評価方法の確立を行い,これを用いて,超塑性材料の微細成形特性を明かにすることを目的とした.その結果, 1.電子ビーム・リソグラフィー法と異方性エッチングにより作成した溝幅1〜20μmの(100)SiV溝ダイに材料を押しつけ,V溝に流入する材料挙動を観察,流入材料の形状計測を行って,材料のナノ・メートル・オーダーの微細成形特性の評価を行う方法を確立した. 2.微細結晶粒および動的超塑性材料,非晶質合金の過冷却液体域での粘性流動特性とナノ成形加工特性を調べ,変形メカニズムから考察を加えて,微細成形加工性の可能限界を明らかにした.微細結晶粒超塑性材料では,多結晶体における粒界すべりと粒の回転が主な変形機構であって,そのために結晶粒径分布によりナノ成形特性に限界があることを明らかにした.純鉄の動的超塑性ならびに過冷却液体域を有するアモルファス合金では,ナノ・メートル・オーダーの成形が可能であることを明らかにした.とくに,アモルファス合金では長範囲規則性がなく,粒界が存在しないことから,極めて良好な微細・成形加工特性が明らかになった.以上の研究結果は,マイクロマシン用材料の成形加工,ならびに材料開発への指針を与えるものである.
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