1997 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
08650860
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Research Institution | IWATE UNIVERSlTY |
Principal Investigator |
武田 要一 岩手大学, 工学部, 助教授 (30125603)
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Keywords | 銅スクラップ / リサイクル / 乾式精製 / 酸化溶錬 / スラグ / 相分離 / 不純物の分配 / クラックス |
Research Abstract |
ごみ処理施設やシュレッダ-ダスト焼却施設等から出る焼却灰中の金属残渣等の低品位銅スクラップの発生が予想される。この低品位の銅スクラップを現行の銅製錬工程あるいは新規に開発されるスクラップ精製プロセスで直接処理することは効率が悪いので、スクラップ中の銅品位を高める方法の開発が望まれる。炭素飽和下でCu-Fe-C3元系融体は、鉄が富化した溶鉄相と銅が富化した溶銅相の二液相に分離する現象を利用し、低品位の含銅スクラップから銅を濃縮するための基礎的な坩堝実験を行った。1450K、温度の炭素飽和下で、この三元系融体は、溶鉄相と溶銅相が密度差で上下二液層に明瞭に分離することが確認された。鉄が富化した溶鉄相の組成は、91.1%Fe-4.7%Cu-4.2%Cであり、銅が富化した溶銅相の組成は96.7%Cu-3.3%Feであった。この二液分離を利用すると、溶銅相に入る銅は全て回収出来、溶鉄相に入る銅は全て損失すると仮定したとき、それぞれ10%、20%、30%の銅を含むスクラップからの銅の回収率は、60%、80%、90%である。この方法で回収される銅の品位は97%である。 スクラップ中には銅、鉄の他種々の金属が含まれるので、この二液分離に及ぼすそれらの金属の影響を調べるため、アルミニウム、クロム、マンガン、硫黄、シリコンを添加し二液相の組成の変化を調べた。溶鉄相への銅の溶解度はスクラップからの銅の回収率に影響し、溶銅相への鉄の溶解度は回収される銅の品位に影響する。溶鉄相への銅の溶解度は溶鉄相への炭素の溶解度に直接関係することが明らかになった。炭素の溶解度が増すと銅の溶解度が減少し、銅の回収率を高くする。Cu-Fe-C3元系にクロム、マンガンを加えると溶鉄相への炭素の溶解度が増し、銅の溶解度は減少する。硫黄とシリコンは炭素の溶解度を減少させ、銅の溶解度を増加させる。
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Research Products
(4 results)
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[Publications] Katsunori Yamaguchi, Yoichi Takeda: "Copper Enrichment of Scrup by phase Separation in Liquid Cu-Fe-C System" Tokyou Symposium on Recycling and Treatment of Metuls. 41-46 (1997)
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[Publications] 武田要一: "溶融精製" 資源と素材. 113・12. 952-957 (1997)
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[Publications] 山口勉功、武田要一: "Fe-Cu-C系2液相分離による低品位銅スクラップからの銅の濃縮" 資源と素材. 113・12. 1110-1114 (1997)
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[Publications] Y.Takeda: "Arsenic Distribution in Molten Phases Relating Copper Smelting" Environment & Innovation in Mining and Mineral Technology. (1998)