1997 Fiscal Year Annual Research Report
ラマン分光法による溶融アルミニウム合金表面上における酸化皮膜形成過程のその場観察
Project/Area Number |
08650861
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Research Institution | TOHOKU YNIVERSITY |
Principal Investigator |
成島 尚之 東北大学, 大学院・工学研究科, 助手 (20198394)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
井口 泰孝 東北大学, 大学院・工学研究科, 教授 (90005413)
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Keywords | ラマン分光法 / 溶融アルミニウム / 高温酸化 / 薄膜分析 / 酸化皮膜 / その場観察 / アルミナ / スピネル |
Research Abstract |
ラマン分光法により1273K、純酸素中において溶融純Alおよび溶融Al-Mg合金上に形成される酸化皮膜形成過程のその場観察を行い、以下の結果を得た。 (1)溶融純Al:昇温過程よりα-Al_2O_3が観察された。その後ラマンスペクトルに大きな変化は観察されなかった。 (2)溶融Al-1mass%Mg合金:昇温過程よりスピネル相(MgO・Al_2O_3が同定され、1273K付近よりα-Al_2O_3も同時に観察された。1273Kにおける保持の間、周期的にスピネル相とα-Al_2O_3のラマン線が消えるという現象が確認された。この原因としては、形成される酸化皮膜(スピネル相およびα-Al_2O_3)の割れに伴い、Al融体が酸化皮膜表面に素材したためと考えられる。酸化皮膜の割れは、高温顕微鏡による酸化過程のその場観察でも認められた。また、EPMAを用いた酸化皮膜断面の組成分析でも下地金属に平行にスピネル相が検出されたことからも示唆される。 (3)溶融Al-4mass%Mg合金:1273Kよりスピネル相の形成が観察された。以降、5時間までラマンスペクトルに大きな変化はなかった。α-Al_2O_3のラマン線は確認されなかった。これは前年度行った、酸化に伴う質量変化測定実験に於いて、溶融Al-4mass%Mg合金は酸化促進期を迎えないとの知見と良く一致する。 本実験では、1273Kにおいて5時間ほど経過するとAl蒸気がラマンスペクトル採取用ガラス窓に付着し、その場観察が不可能となった。シャッターを取り付ける等の改良が必要であることがわかった。
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Research Products
(2 results)
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[Publications] Y.Iguchi: "Complex Oxide Films Formed during Thermal Oxidation of Liquid Aluminum Alloys" Design Fundamentals of High Temperature Composites,Intermetallics and Metal-Ceramic Systems. 337-343 (1996)
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[Publications] T.Narushima: "High-Temperature Oxidation of Silicon Carbide and Silicon Nitride" Mater.Trans.JIM.38[10]. 821-835 (1997)