1997 Fiscal Year Annual Research Report
合金の過冷凝固デンドライト界面形態に対する融液流動の影響
Project/Area Number |
08650867
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Research Institution | Nagaoka University of Technology |
Principal Investigator |
宮田 保教 長岡技術科学大学, 工学部, 教授 (50016177)
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Keywords | 過冷凝固 / 合金 / デンドライト / ループ型セル / 界面安定性 / 自然対流 |
Research Abstract |
合金凝固におけるデンドライト界面形態の決定には、融液流動が大きく寄与している。デンドライト形状はミクロ偏析生成の支配因子であるため、デンドライト界面形態に対する融液流動の寄与を定量的に研究した。 合金の界面形態決定には、融液流動に輸送される熱移動量、溶質移動量が共に寄与するため、熱輸送が現象を支配する純物質に対する過冷凝固に於いて、融液流動と凝固特性量の関係を実験的、理論的に研究し、その後、熱輸送、物質輸送共に寄与している合金の過冷凝固に対して、融液流動と凝固特性量の相関について研究を行った。 過冷融液中に流動を発生させ、流動下でデンドライト成長を実現させるため、円柱断面をもつループ型の凝固セルを設計・制作した。試料セルの一部分をわずかに熱することにより、浮力による自然対流を発生させ融液の流動を実現させた。流動速度は加熱量により制御されたが、デンドライト成長部での過冷度に影響させぬため、比較的低速の流動速度に於いて実験がなされた。 準物質に対する過冷凝固実験により、ある与えられた過冷度に於いては、融液の流動はデンドライト先端成長速度を増加させることがしめされ、この寄与は低速凝固に於いて顕著であった。合金の過冷凝固に於いても融液流動は同様の寄与を示すことが判明した。これらの結果は、デンドライト先端に低温度の流体が流動により輸送されてくるため、先端温度勾配が増加し、熱流束を保存させるよう、凝固速度が増加するためであると理解された。また、低速凝固ほどデンドライトと流動の相互作用時間が長くなるため、影響も顕著となると理解された。
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