1997 Fiscal Year Annual Research Report
製銑製鋼スラグ中の酸化物イオンのEPMAケミカルシフトの分子軌道法による検討
Project/Area Number |
08650875
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Research Institution | Himeji Institute of Technology |
Principal Investigator |
森下 政夫 姫路工業大学, 工学部, 講師 (60244696)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
香山 滉一郎 姫路工業大学, 工学部, 教授 (60047595)
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Keywords | スラグ / SiO_2-Na_2O / 分子軌道法 / EPMA / OK_αスペクトル / SiK_βスペクトル / 濃度 / 状態密度 |
Research Abstract |
スラグの構造と性質に関する研究は素材工学上最も重要な分野の1つである。しかしながら、高温液体状態に由来する実験の困難さから、構造と物性、構造と塩基度との間には、不明な問題が数多く残されている。本申請研究も、スラグの構造と化学的特性との関係を解明するための1つの試みであり、金属酸化物の含有に伴うOK_αおよびSiK_βEPMAスペクトルを分子軌道法によって解釈し、スペクトルの形状変化の原因をSiイオンおよび酸素イオンの局所的電子状態の変化として捉え、化学的反応性すなわち塩基度を理解することを目的としている。 申請者らは、SiO_2-Na_2O2成分系スラグのEPMAスペクトルを分子軌道法によってシミュレーションするために、Na_2O濃度の概念を取り入れる方法を新たに考案した。まず,Na^+が配位するディスクリートアニオンSiO_4Na^<3->、Si_2O_7Na^<5->、Si_3O_9Na^<5->、Si_3O_<10>Na^<7->、Si_4O_<12>Na^<7->のそれぞれについて、各分子軌道の部分状態密度、Q_<nl>を求めた.ついで,このQ_<nl>と分子動力学研究で得られた所定のNa_2O濃度における各ディスクリートアニオンの存在比率、m_iとの積Q_<nl>m_iにガウス関数を適用して総和をとり,Na_2O濃度を取り入れた状態密度曲線を計算した。昨年度、Na_2O濃度を取り入れたSi_<3p>成分の計算結果は,ガラス構造のSiO_2-Na_2O2成分系スラグのEPMAスペクトルを定量的に再現できることを見出した。本年度、酸素イオンについても検討し、O_<2p>成分の計算結果は、66.7mol% SiO_2-33.3mol%Na_2O、50mol% SiO_2-50mol%Na_2Oおよび42mol%SiO_2-58mol%Na_2OスラグのOK_αEPMAスペクトルと一致することがわかった。さらに、これらOK_αおよびSiK_βEPMAスペクトルの主ピークは低い重合度の、サブピークは高い重合度のディスクリートアニオンに帰属することを解明し、塩基度の解釈に結びつけることにも成功した。
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Research Products
(5 results)
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[Publications] M.Morishita, K.Koyama, M.Morinaga and H.Adachi: "Theoretical Study of Si K_β X-ray Fluorescence Spectrum of SiO_2-Na_2O Binary Slag by DV-X α Molecular Orbital Calculation" Mater.Trans.JIM.38. 724-730 (1997)
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[Publications] 森下政夫、香山滉一郎、森永正彦、足立裕彦: "SiO_2-Na_2OスラグのEPMAスペクトルの測定とその結果の分子軌道法による解釈" 溶融塩および高温化学. 40. 222-237 (1997)
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[Publications] M.Morishita, K.Koyama, M.Morinaga and H.Adachi: "A Study of Basicity of Molten Slag on the Basis of the DV-X α Molecular Orbital Calculation of EPMA Spectrum" Proc.of ICSTI'98 Iron and Steel Soc.2(印刷中). (1998)
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[Publications] 森下政夫、香山滉一郎、森永正彦、足立裕彦: "SiO_2-Na_2OスラグのEPMAスペクトルの測定とその結果の分子軌道法による解釈" 第27回溶融塩化学討論会講演要旨集. 27. 81-81 (1997)
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[Publications] M.Morishita, K.Koyama, M.Morinaga and H.Adachi: "Advances in Quantum Chemistry" Academic Press.Sandiego(印刷中), (1998)