1997 Fiscal Year Annual Research Report
炭素被覆鉄鉱石の急速溶融還元における硫黄の動的挙動に関する研究
Project/Area Number |
08650904
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Research Institution | Akita University |
Principal Investigator |
菅原 勝康 秋田大学, 鉱山学部, 助教授 (60154457)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
菅原 拓男 秋田大学, 鉱山学部, 教授 (10006679)
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Keywords | 溶融還元 / 鉄鉱石 / 硫黄 / 粒子落下型反応器 |
Research Abstract |
本研究は,高速で硫黄含有量の低い金属鉄を得る,気流層型反応器を用いた鉄鉱石の急速溶融還元プロセスの開発を目的としたものである。昨年度の炭素被覆鉄鉱石の溶融還元挙動の速度解析に引き続き,平成9年度は,高温場における炭素源中の硫黄の挙動の解明ならびに溶融鉄鉱石中の硫黄濃度に及ぼす反応条件の影響を明らかにすることを目的とした。すなわち本プロセスの実用化のためには,炭素源として,石炭や重質油の利用が挙げられる。しかしながらこれらには除去が困難な硫黄が多く含まれており,鉄鉱石の還元の際に鉄中に混入してくる可能性がある。そこでその反応機構を解明することを目的として,硫黄を添加した炭素被覆鉄鉱石を調製し,急速還元過程における硫黄の移行挙動を詳細に追跡した。 硫黄を添加した炭素被覆鉄鉱石は,鉄鉱石粒子にタール模擬物質としてのフェノールフタレインならびに硫黄を混合し,固定床にて昇温速度20K/min,最終到達温度773K,保持時間10分の条件にて調製した。その結果,被覆炭素中に存在する硫黄の含有率は,0.67%であった。この硫黄添加型炭素被覆鉄鉱石を,反応器最高温度1773Kの気流層で急速熱処理したところ,反応器内滞留時間0.62秒で,被覆炭素中の硫黄の約6割が鉄中に移行してFeSを形成した。また同一反応条件下で硫黄を含まない炭素被覆鉄鉱石を処理したところ,金属鉄の生成量が42%であったのに対し,硫黄添加型炭素被覆鉄鉱石では37%と,硫黄の存在により鉄鉱石の還元速度が低下する結果が得られた。
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Research Products
(3 results)
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[Publications] K.Sugawara, et、al: "Reduction behavior of carbon-coated-iron ore in high tenperature nitrogen strean" Proc.of 9th International Conference on Coal Science. 2. 873-876 (1997)
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[Publications] 森本 浩史ら: "高温窒素気流中における炭素被覆鉄鉱石の溶融還元" 第34回 石炭科学会議発表論文集. 385-388 (1997)
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[Publications] K.Sugawara, et al.,: "Rapid reduction of carbon-coated-iron ore in a drop-tube reactor" Proc.of 2nd International Congress on the Science and Technology of Iron making. (1998)