1996 Fiscal Year Annual Research Report
非線形反応・分離システムの定性モデリングと制御因子探索
Project/Area Number |
08650906
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (C)
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Research Institution | Tokyo Institute of Technology |
Principal Investigator |
黒田 千秋 東京工業大学, 理工学国際交流センター, 教授 (80114867)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
吉川 史郎 東京工業大学, 理工学国際交流センター, 助教授 (40220602)
小川 浩平 東京工業大学, 工学部, 教授 (00016635)
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Keywords | 非線形システム / 非線形振動 / 反応分離システム / 定性モデリング / ペトリネット / 並列離散事象システム |
Research Abstract |
互いに関連し合う同時進行的な離散事業システムをモデル化するために考え出されたペトリネットを解析道具とし、これに時間的取り扱いを可能にするなどの改良を加え、発熱化学反応を伴う剪断流場で発生する非線形波動現象と非線形固液間移動現象とについてシステム解析を行うことにより定性的モデル化の方法を確立し、さらにコンピュータ上で現象の生じ方の定性シュミレーションを行うことにより最適制御因子を探索することを目的とした研究を実施し、以下のような研究実績を挙げることができた。 1.ワークステーション並びにパソコン上に時間機能を持つペトリネットシュミレータを移植し、現象の進行速度をトランジションの発火速度によって表現し、ト-クンで表される離散化された物質の移動現象をモデル化できるシステムを作り上げた。 2.発熱反応を伴なう平行平板間剪断流と噴流中に発生する2種類の非線形振動の実験データを基に、化学種、熱、運動量の諸量の量子化を行ない、それらの諸量の移動現象を流体粘性の温度依存性に支配される並列離散事業システムとしてモデル化することができた。 3.上記の移動現象の因果関係モデルを時間付きペトリネットシュミレータ上に展開する方法について検討し、いずれの振動現象も同様の時間機能付ペトリネットモデルで表現することができた。 4.現有の高速液クロトマトグラフィー装置に改良を加えて、血漿蛋白質のゲル濾過クロマト分取用に改修し、同分取操作において負荷量や濃度の変化がアルブミンとグロブリンの非線形分離特性に及ぼす影響を実験的に検討し、操作変数の分取特性への影響を定量的に明らかにする事ができた。 以上の研究実績を基に、次年度はクロマト非線形分取システムのペトリネットによるモデル化を完成させ、非線形複雑システムの制御因子の探索の汎用的方法を検討する予定である。
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