1996 Fiscal Year Annual Research Report
膜結合酵素の実用的固定化担体としての大型ハイブリッド型ベシクルの機能
Project/Area Number |
08650914
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (C)
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Research Institution | Ehime University |
Principal Investigator |
加藤 敬一 愛媛大学, 工学部, 助教授 (10117088)
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Keywords | 膜結合酵素 / フルクトースデヒドロゲナーゼ / リポソーム / 固定化酵素 / 脂質ベシクル / 人工生体膜 |
Research Abstract |
膜結合酵素が活性発現するためには、脂質反応場が必要であり、この酵素は、脂質必要酵素とも呼ばれる。本研究では、このような酵素の一つとして、フルクトースデヒドロゲナーゼ(FDH)を選択した。固定化酵素担体として、大型で、単分散型の球状脂質ベシクルを用い、固定化FDHとしての、繰り返し利用を試みた。また、その固定化酵素反応特性について、動力学的あるいは熱力学的検討も行った。 固定化担体に用いた単分散型のベシクルは、粒径が5〜50μmと大きく限外濾過により、繰り返し回収することに成功した。また、ベシクル一個あたりの活性劣化は、5回の繰り返し利用において、前回の約8パーセント程度内に収まり、このような固定化酵素が十分実用化できることが判明した。 つぎに、固定化担体として、凝集型のベシクルを用いて検討した。このベシクルは粒径が約20〜50μmで、ベシクル表面に空隙が存在し、基質の拡散抵抗が存在するが、粒径が非常に大きく、工業的に実用的な固定化担体として期待できる。このようなベシクルを用いた固定化FDH系の酵素反応についての反応速度式を、化学工学的立場から理論的に検討した。その結果、ベシクルと基質の間の静電効果、および、ベシクル表面の空隙内への基質の拡散を考慮した速度式を用いて、固定化FDHの反応をよくシミュレートすることができた。 さらに、上記のFDH固定化ベシクル系および、FDHの均相水溶液系において、それぞれの熱力学的諸量、ΔG、ΔH、ΔSを求め、FDHと、基質フルクトースの結合および、その反応速度について、熱力学的検討を行った。その結果、FDHが基質と結合する際、FDHはfoidingな状態にコンフォメーション変化し、活性発現することが明らかになった。このことは、CDスペクトルの測定からも実証することができた。また、その反応速度は、酵素と基質の疎水的結合に支配されていることも指摘した。
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[Publications] Keiichi Kato and Nobuyasu Higashi: "Reaction characteristics of the membrane enzyme immobilized to a large lipid-vesicle of hybrid type and measurements of the vesicle zeta-potential" Chemical Engineering Symposium Series. 44. 31-36 (1995)
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[Publications] 加藤敬一、東伸保、片山建壮、平下淳二: "ハイブリッド型の大型脂質ベシクルへの生理活性物質の固定化とその機能" 化学工学シンポジウムシリーズ. 54. 62-71 (1996)
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[Publications] Keiichi Kato and Katushi Hirata: "Water permeability through the lipid membrane of a giant vesicle prepared by a two-step emulsification technique" Solvent Extraction Research Development,Japan. 3. 62-73 (1996)
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[Publications] Keiichi Kato and Junji Hirashita: "Preparation of a hybrid-type vesicle modified by concanavalin A for a Drug Delivery System" Chemical Engineering Symposium. 57. 71-75 (1997)
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[Publications] Keiichi Kato,Nobuyasu Higashi and Junji Hirashita: "Structure and function of giant lipid-vesicle of hybrid type as an immobilizing carrier of membrane enzyme" Chemical Engineering Symposium Serise. (to be published). (1997)