1996 Fiscal Year Annual Research Report
コバルト系金属間化合物の表面特性の解明およびそれを生かした新規な触媒の開発
Project/Area Number |
08650920
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (C)
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Research Institution | Tokyo Institute of Technology |
Principal Investigator |
小松 隆之 東京工業大学, 理学部, 助手 (40186797)
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Keywords | 金属間化合物 / 触媒 / コバルト / 合金 / アセチレン / 部分水素化 / エチレン / 水素解離吸着 |
Research Abstract |
Co-Ge系、Co-Si系およびCo-Al系金属間化合物を以下の方法で調製した。市販の高純度粒状金属を、所定の比率で混合し、シリコニット電気炉またはアーク溶解炉を用いて溶解し、目的金属間化合物のインゴットを得た。空気中で粉砕し分析ふるいにて38μm以下の粉末とした。X線回折により目的金属間化合物の生成を確認した。表面の酸化状態をXPSスペクトルにより観察した結果、873Kで水素還元することにより空気酸化された表面が完全に金属状態に還元できることがわかった。ただし、CoAlについては、アルミニウムの還元は不十分であった。また、水素による段階的な還元の様子を、生成した水を定量することにより観察した結果、金属間化合物の表面の還元挙動が、構成元素の還元挙動とは全く異なることが明らかとなった。このことから、金属間化合物の表面が、構成金属に相分離することなく金属間化合物として存在しているととが推定された。 還元処理した金属間化合物の表面特性を知るため、一酸化炭素の昇温脱離を行った。金属コバルトと比べ金属間化合物では一酸化炭素の脱離ピークが異なる位置に現れた。また、金属間化合物の水素解離能力を知るため、H_2-D_2交換反応を行った。金属Pt上では室温で反応が進行したが、金属間化合物上では573KにしないとHDの生成が観測されなかった。金属間化合物の中でもCoGe>CoAl>CoGe_2>CoSnの順で活性が低下した。以上のことから、金属間化合物表面は、水素化反応に対し構成金属とは全く異なる触媒特性を持つことが期待される。
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