1996 Fiscal Year Annual Research Report
脱ろう触媒の設計と反応下での各種炭化水素の細孔内拡散特性
Project/Area Number |
08650929
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Research Institution | Teikyo University of Science & Technology |
Principal Investigator |
難波 征太郎 帝京科学大学, 理工学部, 教授 (80114883)
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Keywords | 脱ろう / ゼオライト / 触媒 / 分解反応 / クラッキング / 細孔内拡散 |
Research Abstract |
脱ろうは灯軽油の流動点を改善するために、流動点を高くしている直鎖アルカンおよびモノメチル置換アルカンを選択的に除去するプロセスである。MF1ゼオライトはその形状選択性によりこれらの化合物を選択的に分解する触媒である。MF1ゼオライトの各種アルカンに対する分解活性は、直鎖>モノメチル置換≫ジメチル置換の順になることが知られている。しかし、これらの序列は単独の化合物の分解反応から求めたものであり、実際の脱ろう反応に於いては各種炭化水素が共存している。この様な場合、ゼオライトの細孔内では、拡散の速い分子であっても拡散の遅い分子を追い越して拡散することはできないはずである。したがって、共存炭化水素による拡散阻害を明らかにしなければ、脱ろう反応を解析したり、触媒設計の明確な指針は得られないであろう。 n-オクンの分解反応を各種炭化水素共存下でFM1ゼオライト触媒に用いて400℃で行った。もし共存炭化水素の細孔内での拡散がn-オクンの分解速度に比べて速いか、または共存炭化水素が分子径が大きすぎる故に細孔内に入ることができない場合は、n-オクンの分解速度に影響を与えないはずである。一方、共存炭化水素が細孔内に入ることができ、しかもn-オクンの分解速度に比べて拡散が遅い場合には、共存炭化水素の拡散阻害により、n-オクンの分解速度を低下させるはずである。 共存炭化水素としてトルエンと1,2,4-トリメチルベンゼンを用いたところ、それぞれの分圧の増加とともにn-オクン分解反応が疎外されることが判明した。さらに、トルエンと1,2,4-トリメチルベンゼンの両方を共存させると、両者の疎外効果が認められ、加成性が成立することが判明した。これらの結果は脱ろう触媒の設計を行う上で重要な知見である。
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