1996 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
08650960
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
尾張 真則 東京大学, 環境安全研究センター, 助教授 (70160950)
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Keywords | 収束イオンビーム / 二次元イオン質量分析法 / 三次元元素分布解析 / 微細加工 |
Research Abstract |
本研究は,収束イオンビームを用いた微小領域を対象とする高感度三次元現存分布解析手法を確率することを目的としている。ガリウム液体金属イオン源を用いることにより,直径0.1ミクロン,電流密度1A/cm^2程度の高感度収束イオンビームを得ることができる。このイオンビームは走査型イオン顕微鏡の観察用プローブ,高空間分解能二次元イオン質量分析法の一次ビームとして利用できるほか,ミクロン以下の微小な領域で試料を0.1ミクロン以下の精度で切削加工することにも用いることができ,これらの機能を組み合わせることにより,微小領域の高感度二次元元素分布測定,微粒子の切断加工と断面観察などが試みられてきた。本研究では安定度ならびに精度高い収束イオンビーム走査制御系を設計試作することにより、断面加工と断面の二次元高感度元素分布分析を繰り返し行うことを可能とし,二次元元素分布の積層としての3次元元素分布解析を実現した。安定度ならびに精度の高いビーム走査系は,走査波形をデジタル信号で発生させ,デジタル-アナログ変換を介してビーム偏向アンプに供給することにより実現した。デジタル制御のフレキシビリティーを十分に生かすことにより,1フレームあたり20分の1秒から18時間までの広い走査速度範囲と1フレームあたり1024から16777216ピクセルの広い画数範囲を任意に選択することができ,また,走査領域に一部をビーム偏向アンプの条件変更無しで拡大精密走査することも可能とした。さらに1画素ごとに二次イオン質量スペクトルが得られるように,マルチチャンネル高速信号計数回路を組み込むことにより,二次元情報を無駄なく速やかに取得し,分析全体のスループットを大幅に向上させることができた。これらの結果,高感度三次元元素分布解析を実用性の高い高性能分析手法として実現せしめた。
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