1997 Fiscal Year Annual Research Report
疎水環境を内部に有するメディアと蛍光性物質との相互作用の分析化学的研究
Project/Area Number |
08650961
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Research Institution | Shizuoka University |
Principal Investigator |
山田 眞吉 静岡大学, 工学部, 教授 (60022737)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
中村 基 静岡大学, 工学部, 助教授 (80022242)
伊東 琢史 静岡大学, 工学部, 教授 (20022022)
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Keywords | シクロデキストリン / 界面活性剤 / 蛍光性有機試薬 / 包接反応 |
Research Abstract |
シクロデキストリン(CD)あるいは界面活性剤ミセルといった疎水環境を内部に有するメディアと蛍光性有機試薬(ゲスト)との相互作用を蛍光分光法で検討し、この相互作用の本質を理解するとともにその結果の分析化学的応用を目的とした研究を実施し、以下の成果を得た。 1.フラボンおよびクマリンのβ-CDへの包接平衡を、水との混合比率を変化させた6種類の有機溶媒中で測定解析し、包接定数の有機溶媒濃度依存性がβ-CDに包接された有機溶媒と試薬との置換反応を考慮することにより定量的に解釈できること、有機溶媒のβ-CDによる包接反応が有機溶媒の溶解パラメータにより支配されていることを明らかにした。 2.フラボン、クロモンおよびクマリンのβ-CDへの包接平衡およびHPLCの逆相カラムへのこれらの試薬の保持挙動に及ぼすβ-CDの効果を測定・解析し、試薬のカラムへの保持が移動相中での試薬のβ-CDへの包接反応に支配されていることを明らかにするとともに、カラムへの分配平衡およびCDへの包接平衡に及ぼす試薬の構造特性を理解した。 3.陽イオン性および中性界面活性剤ミセルとフラボンとの相互作用を測定・解析し、これらの相互作用および蛍光増大効果に及ぼすメディアの効果をミセルおよびゲストの電荷、疎水性の観点から明らかにするとともに、これらの成果をβ-CDについて得られている成果と比較・検討し、相互作用および蛍光増大効果に及ぼすメディアの効果をメディアの構造性の観点から理解した。
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Research Products
(4 results)
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[Publications] 山田眞吉: "モリンとの錯形成速度の差を用いるスズ(II)共存下でのスズ(IV)の蛍光定量" 分析化学. 45・3. 265-270 (1996)
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[Publications] 中村 基: "Conditions for Solid-Phase Extraction of Agricultural Chemicals in Waters by Using n-Octanol-Water Partition Coefficients" Analyst(London). 121・4. 469-475 (1996)
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[Publications] 山田眞吉: "Catalytic Effect of Some Inorganic Ligands on a Ligand Substitution Reaction Involving Mercury (II) and Its Application as a Kinetic Method" Talanta. 43・10. 1715-1720 (1996)
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[Publications] 山田眞吉(分担執筆): "最新の分離・精製・検出法〜原理から応用まで〜" エヌ・ティー・エス, 1039 (1997)