1997 Fiscal Year Annual Research Report
超臨界流体の特異性を利用した新しい誘導体化法の開発
Project/Area Number |
08650963
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Research Institution | TOYOHASHI UNIVERSITY OF TECHNOLOGY |
Principal Investigator |
平田 幸夫 豊橋技術科学大学, 工学部, 助教授 (10126948)
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Keywords | 超臨界流体 / カルボン酸 / メチルエステル化 / ポリマー分解 |
Research Abstract |
超臨界流体は、密度の関数で表される溶媒特性が温度と圧力により容易に微調整できるという従来の液体溶媒にはない特異な性質を有している。本研究の目的は、このような超臨界流体を反応媒体として用いることにより、迅速性と高い選択性を備えた新しい誘導体化法を開発することである。 1)前年度に固体触媒を充てんした容器を反応容器として用いることにより、各種カルボン酸のメチルエステル化が迅速にかつ定量的に行えること。および本反応システムと固相抽出法を組み合せることにより、水溶液中の微量のフェノキシ酢酸類の分析に適用できることが分かった。これを基にして詳しく検討した結果は投稿中である。 2)ポリエチレンテレフタレート、ポリブチレンテレフタレート、全芳香族ポリエステルなどのエステル型ポリマー、およびポリカーボネートなどのプラスチックの組成分析を目的として、超臨界メタノール中での分解と誘導体化を検討した。温度、圧力、分解時間などの条件を詳しく検討し、これからのポリマーが迅速に分解すると同時に、カルポン酸が定量的にメチルエステルに誘導体化できる最適条件を見いだした。さらに、この反応を利用した微量試料を取り扱うことが可能な分析システムを開発した。現在その結果を投稿準備中である。
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