1996 Fiscal Year Annual Research Report
構造用セラミックスの高温高圧水蒸気中での耐環境特性と材料評価
Project/Area Number |
08650998
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (C)
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Research Institution | Yonago National College of Technology |
Principal Investigator |
小田 耕平 米子工業高等専門学校, 工業化学科, 助教授 (90043611)
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Keywords | ファインセラミックス / 水蒸気腐食 / 耐高温高圧水特性 / 石英ガラス / 充填率 / 環境強度 / オートクレーブ |
Research Abstract |
本研究では、「高温高圧水腐食」の環境である高温高圧の純水と共存する水蒸気中における構造用セラミックスの「高温高圧水蒸気腐食」に関する研究であり、代表的な非酸化物、酸化物セラミックスの腐食反応、腐食形態を明らかにするとともに、耐食性および環境強度による総合的な材料評価を行い、これらの知見に基づいた材料設計および材料改質のための指針を提示することを目的としている。 平成8年度は、窒化ケイ素やムライトセラミックスの300℃の水蒸気中での腐食挙動を検討するための基礎的知見を得るため、SiO_2の単成分からなる石英ガラスの300℃の水蒸気中における腐食試験を行い、腐食反応機構の解明及び腐食による環境強度の検討を行った。Ti製オートクレープを用い、蒸留水の体積とオートクレーブ内の空隙容積の比(充填率)を10、50%として、300℃、1〜10日間の水蒸気腐食試験を行った。腐食前後での重量変化、試料のXRD測定とFT-IR測定を行った。オートグラフを用いて各腐食条件毎に試料3本の室温での4点曲げ強度をJIS-R 1601に準拠して測定した。 平成8年度の研究成果を以下に箇条書きに列挙する。 1)石英ガラスの腐食反応は水蒸気中では表面化学反応律速で、水中では拡散律速で進行した。 2)同じ充填律の場合、水蒸気腐食の方が水熱腐食よりも腐食速度が大きくなった。 3)腐食後の試料の強度の上昇は、試料中への水の拡散によるガラスの粘性の低下が原因であると考えられた。
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