1996 Fiscal Year Annual Research Report
高分子不斉触媒を用いるアリルホウ素試薬のエナンチオ選択的付加反応
Project/Area Number |
08651027
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Research Institution | Toyohashi University of Technology |
Principal Investigator |
伊津野 真一 豊橋技術科学大学, 工学部, 助教授 (50158755)
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Keywords | アリルホウ素試薬 / アリル有機金属 / 不斉アリル化 / 高分子担持触媒 / ホモアリルアミン / イミン |
Research Abstract |
プロキラルなカルボニル化合物に対するアリル有機金属試薬の不斉付加反応は最も基本的なC-C結合形成反応の一つであり、重要な不斉反応であることから多くの研究がなされてきたが、C=N結合に対する不斉アリル化反応は、ジアステレオ選択的反応がいくつか知られているだけで、エナンチオ選択的アリル化については、報告されていない.本研究では、イミン類の不斉アリル化について検討し、触媒的な反応の可能性を模索した. イミンの不斉アリル化反応により高選択的かつ効率的に光学活性ホモアリルアミンが得られれば、有用なキラル分子として多方面への応用が期待される.従って本研究ではまず、種々のN-保護イミンのアリルホウ素化についての基礎的知見を得るために、種々の不斉修飾アリルホウ素化合物を用いたエナンチオ選択的アリル化反応を検討した.2官能性不斉修飾剤を種々検討した中で、ノルエフェドリンN-スルホンアミドを用いた場合、高いエナンチオ選択性で(〜94%ee)、対応する光学活性ホモアリルアミンを与えることを見いだした.さらに不斉アリル化剤を不溶性高分子に担持することで、反応操作が著しく容易になり、高エナンチオ選択性を保ったまま、高収率で生成物を取り出すことができた.高分子によって構築される不斉反応場のエナンチオ選択性に及ぼす影響についても考察した.アルデヒドのアリル化反応ではキラルルイス酸触媒による触媒的不斉アリル化が最近報告されているので、キラルルイス酸によるイミンの触媒的不斉アリル化についても検討を行った.キラルジオールで不斉修飾したTi触媒を用いて、アリルスズ化合物による反応を行うと、イミンの場合も対応するホモアリルアミンが得られたが、選択性は低い.この点については今後検討を進める予定である.
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Research Products
(1 results)