1996 Fiscal Year Annual Research Report
水またはアルコールを溶媒として用いるアルドール型炭素一炭素結合形成反応
Project/Area Number |
08651034
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (C)
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Research Institution | Tottori University |
Principal Investigator |
重政 好弘 鳥取大学, 工学部, 教授 (00032029)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
森本 稔 鳥取大学, 工学部, 助手 (10273880)
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Keywords | 水溶媒 / アルコール溶媒 / 金属塩 / 金属水酸化物 / アルカリ金属 / アルカリ土類金属 / アルドール反応 / アルデヒド |
Research Abstract |
四炭糖のテトルロースとC1化合物であるホルムアルデヒドとのアルドール反応を検討し、ヒドロキシメチル基の導入による3-ペンツロース合成の立体選択性は、水系ではエリトロ体、アルコール系ではトレオ体であることを見いだす際、アルコール系では触媒としてアルカリ土類金属が有効であることに注目した。この知見を、フェノール性エノラートとアルデヒドとのアルドール反応に展開したところ、アルコール系ではアルカリ金属水酸化物が触媒能を示めさないのに対し、アルカリ土類金属の触媒能は顕著であり、カンナビノイド天然物合成の新しい方法論として提案できることを見い出した。 この新しい方法論の利点は、水または含水アルコール系でアルドール型の炭素-炭素結合を形成できることにあり、反応系の乾燥、無水操作は必要ない。基質としては、親水性、疎水性の両方の基質に適用できる。さらに、金属塩または金属水酸化物と、水またはアルコール中で撹拌するだけというプリミティブな反応系であることも特徴である。 フェノール性エノラートの基質としては、カンナビノイド天然物の骨格に誘導できる2,4-ジヒドロキシ安息香酸メチルを選び、まず水系で親水性アルデヒドであるホルムアルデヒドとのアルドール反応を検討し、アルカリ金属(KOH)およびアルカリ土類金属反応剤(CaCl_2/KOH)のいずれを用いても、高収率で目的の付加体が得られた。さらに、疎水性のアルデヒドの代表例としてベンズアルデヒドを用い、メタノール中で同反応を行ったところ、アルカリ土類金属反応剤により高収率で目的の付加体が得られた。本法を2-アルケナ-ルとの反応に適用したところ、1工程で2H-クロメン骨格が構築され、カンナビノイドの合成に応用することができた。
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